対応のあるtの主要な結果を解釈する

対応のあるt検定を解釈するには、次の手順を実行します。主要な結果には、差の平均の推定値、信頼区間、p値、および複数のグラフが含まれます。

ステップ1:母平均差に対する信頼区間を判断する

まず、平均差を考慮し、次に信頼区間を調べます。平均差は、サンプルの対応のある観測値間の差の平均です。

平均差は、母平均の差の推定値です。平均差は母集団全体ではなくサンプルデータに基づくため、サンプルの平均差が母平均差に一致する可能性は低いと言えます。より良好に母平均差を推定するためには、差の信頼区間を使用します。

信頼区間は、対応のある観測値の母平均の差の値が含まれる可能性が高い範囲です。信頼区間により、結果の実質的な有意性を評価しやすくなります。状況に応じた専門知識を利用して、信頼区間に実質的に有意な値が含まれているかどうかを判断します。信頼区間が広すぎて役に立たない場合、サンプルのサイズを増加させることを検討します。 詳細は、信頼区間の精度を高める方法を参照してください。

対応のある差の推定

平均標準偏差平均の標準誤差μの差に対する95%信頼区間
2.2003.2540.728(0.677, 3.723)
µの差: (プログラム前 - プログラム後) の母平均
主要な結果:平均差、平均差の95%の信頼区間

これらの結果では、心拍の母平均の差の推定値は2.2です。95%の信頼度で、母平均の差は0.677から3.723の間に含まれると考えることができます。

ステップ2:検定結果が統計的に有意かどうかを判断する

母平均間の差が統計的に有意かどうかを判断するには、p値を有意水準と比較します。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。有意水準が0.05の場合は、実際には差がないのに差が存在すると結論付けるリスクが5%あることを示します。
p値 ≤ α: 平均値の間の差は統計的に有意です(H0を棄却する)
p値が有意水準以下の場合は、帰無仮説を棄却する決定を下します。母平均間の差は仮説差と等しくないと結論付けることができます。仮説差を指定しなかった場合、Minitabでは、平均値間に差がないかどうかを検定します(仮説差 = 0)。専門知識に基づいて、差が実際に有意かどうかを判断します。詳細は、統計的有意性と実質的有意性を参照してください。
p値 > α: 平均値の間の差は統計的に有意ではありません(H0を棄却しない)
p値が有意水準よりも大きい場合は、帰無仮説を棄却しない決定を下します。対応のある観測値間の平均差は統計的に有意であると結論付けるだけの十分な証拠はありません。検定の検出力が、実質的に有意な差を検出するのに十分であることを確認してください。詳細は、対応のあるtの検出力とサンプルサイズを参照してください。

検定

帰無仮説H₀: μの差 = 0
対立仮説H₁: μの差 ≠ 0
t値p値
3.020.007
主要な結果:p値

この結果で、帰無仮説では、ランニングプログラムを受ける前と後で被験者の安静時の心拍数の平均差が0であると仮定します。p値が0.007で有意水準の0.05より小さいため、帰無仮説を棄却し、ランニングプログラムを受ける前と後で被験者の安静時の心拍数には差があると結論付けます。

ステップ3:データに問題があるか確認する

歪みや外れ値などのデータの問題は、結果に悪影響を及ぼす可能性があります。グラフを使用して歪みを探し、潜在的な外れ値を識別します。

データの広がりを調べ、データが歪んでいるかどうかを判断します。

データが歪んでいる場合、ほとんどのデータがグラフの上下に位置していることになります。ヒストグラムや箱ひげ図では歪みを検出するのが最も簡単であるケースが多いです。

右方向の歪み
左方向の歪み

右に歪んだデータによるヒストグラムには、待ち時間が表示されます。待ち時間のほとんどは比較的短く、ごく少数の待ち時間だけが長くなります。左に歪んだデータによるヒストグラムには、故障時間データが表示されます。少数の項目が直ちに故障し、より多くの項目が後で故障します。

データが大きく歪んでいると、サンプルサイズが小さい場合(20未満)にp値の妥当性が影響を受けます。データが大きく歪んでいて、サンプルサイズが小さい場合はサンプルサイズを増やすことを検討します。

このヒストグラムでは、データは大きく歪んでいるようには見えません。

外れ値を特定

外れ値は、他の大部分のデータから遠くに離れているデータ値のことで、分析の結果に大きな影響を及ぼします。多くの場合、外れ値は、箱ひげ図で容易に識別できます。

箱ひげ図では、アスタリスク(*)が外れ値を意味します。

外れ値がある場合は、その原因を特定してください。データ入力誤差や測定誤差はすべて修正します。異常な1回だけの事象(特殊原因とも呼ばれます)を示すデータ値を除外することを検討してください。それから、分析を繰り返します。詳細は、外れ値の識別を参照してください。

この箱ひげ図では、外れ値はありません。