偏自己相関のデータに関する考慮事項

確実に有効な結果が得られるようにするため、データを収集し、分析を行い、結果を解釈する際には、次のガイドラインを考慮してください。
時系列順にデータを記録する
時系列データは一定期間に収集され、時間順に記録されます。収集されたときと同じ順序でワークシート内に記録する必要があります。データが時系列の順序に並んでいない場合、時間に関するデータパターンを評価できません。ただし、散布図を使用して、連続変数のペアの間の関係を調査することはできます。
トレンドまたはパターンを評価するには、十分な量のデータを収集します。
データ内のトレンドやパターンを完全に評価できるように、十分な量のデータを収集します。最初のn/4の遅れのみの相関を表示します。したがって、各月のデータがある場合、季節変動モデルを判定するときには大きなンプルサイズが必要になります。たとえば、少なくとも144個の観測値では、自己相関プロットでは最大36の遅れを確認する必要があります。
適切な時間間隔でデータを収集する適切な時間間隔でデータを収集する

見つけ出すパターンに基づいて期間を選択します。たとえば、工程の月次パターンを調べるには、月ごとに同じ期間のデータを収集します。各週のデータを収集すると、週ごとのデータに含まれる「雑音」のせいで、各月のパターンが見えなくなる可能性があります。各四半期のデータを収集した場合も、各月のパターンは四半期内に平均化されてしまい、失われる可能性があります。

ただし、時間経過に伴うデータの一般的なトレンドやシフトのみを確認し、特定の時間間隔に関連するパターンを見るのでなければ、間隔の長さはそれほど重要ではありません。

データは定常的でなければならない

定常時系列には、時間が経過しても基本的に一定の平均、分散、自己相関関数があります。いくつか遅れにわたってゆっくりと減少する、大きなスパイクが遅れ1にある場合、データは定常的ではありません。このパターンが見られる場合は、モデルの特定を試みる前に、データの階差を取る必要があります。データの階差を取るには、を使用します。データの階差を取ったら、別の偏自己相関プロットを取得します。

同じパターンは季節的な遅れで発生することもあります。つまり、最初の季節の遅れで大きな相関が発生し、いくつかの季節的な遅れに渡って減少します。このパターンが認められる場合は、モデルの特定を試みる前に、季節的な長さと等しい長さの遅れを使用してデータの階差を取る必要があります。