パラメトリック分布分析(任意打ち切り)における推定法の方法と計算式

最尤法(MLE)

パラメータの最尤推定値は、パラメータに関する尤度関数の最大値を求めることによって計算されます。尤度関数は、分布パラメータの各組に対して、真の分布がサンプルデータに基づいたパラメータを持つ可能性を表します。

Newton-Raphsonアルゴリズム1を使用して、分布を定義するパラメータの最尤推定値が計算されます。Newton-Raphsonアルゴリズムは、関数の最大値を計算するための再帰的手法です。百分位数や生存確率など結果として得られるすべての関数は、その分布から計算されます。

いくつかのデータでは、尤度関数が制限されていないため、しきい値パラメータ(2-パラメータ指数分布、3-パラメータワイブル分布、3-パラメータ対数正規分布、および3-パラメータ対数ロジスティック分布など)と整合していない分布の推定値が算出されます。その場合、通常の最尤推定法が機能しない可能性があります。この状態になると、Minitabでは、偏り修正アルゴリズムを使用して修正されたしきい値パラメータを仮定し、他の2つのパラメータの最尤推定値を計算します。詳細については、参考文献2、3、4および5を参照してください。

参考文献

  1. W. Murray, Ed.(1972). Numerical Methods for Unconstrained Optimization, Academic Press.
  2. F. GiesbrechtおよびA.H. Kempthorne(1966). 『Maximum Likelihood Estimation in the Three-parameter Lognormal Distribution』、Journal of the Royal Statistical Society, B 38, 257-264.
  3. H.L. HarterおよびA.H. Moore(1966). 『Local Maximum Likelihood Estimation of the Parameters of the Three-parameter Lognormal Populations from Completed and Censored Samples』、Journal of the American Statistical Association, 61, 842-851.
  4. R.A. LockhartおよびM.A. Stephens(1994). 『Estimation and Tests of Fit for the Three-parameter Weibull Distribution』、Journal of the Royal Statistical Society, 56, No. 3, 491-500.
  5. R.L. Smith(1985). 『Maximum Likelihood Estimation in a Class of Non-regular Cases』, Biometrika, 72, 67-90.

最小二乗(LSE)

最小二乗推定値は、二乗した偏差の和が最小(最小平方誤差)になる確率プロットの点に回帰直線を適合させることによって計算されます。この直線は、故障までの時間、または変換されたパーセント値(Y)に対する故障までの時間(X)の対数のいずれかを回帰推定することによって形成されます。

共通の形状パラメータまたは尺度パラメータの前提がLSE推定法またはMLE推定法にどのように影響を与えるかについての詳細は、最小二乗推定法と最尤推定法を参照して、「パラメトリック分布分析の形状パラメータまたは尺度パラメータを前提とする」をクリックします。