の方法と計算式

目的の方法または計算式を選択してください。

CUSUM計画、h、k、FIR

工程が正常に管理されている場合、CUSUM管理図は一連のサンプル値からの情報を組み込むことができるため、目標値からの小さなずれを検出するために役立ちます。プロットされた点は、目標値からのサンプル値の偏差の累積和です。これらの点は、ゼロ周辺でランダムに変動するはずです。上向きまたは下向きのトレンドがある場合は、工程平均にずれが生じている証拠となるため、特殊原因を調査する必要があります。

CUSUM(累積和)には、2つの種類があります。
表形式CUSUM(デフォルト)
上側CUSUMは工程水準の上方向へのずれを検出し、下側CUSUMは下方向へのずれを検出します。この管理図では、管理限界(上方管理限界と下方管理限界)を基準にして、管理外の状況がいつ発生したかを特定します。表形式CUSUMに関する論考については、プリンズらによる1および、スタンボスらによる2を参照してください。
V-mask CUSUM
この管理図では、管理限界ではなくV-maskを使用して、管理外の状況がいつ発生したかを特定します。V-mask管理図に関する論考については、ルーカスによる3およびワズワースらによる4を参照してください。

CUSUM管理図は、hkの2つのパラメータで定義されます。これらのパラメータは多くの場合CUSUM計画と呼ばれます。この値は、ARL(平均実験長)の表から選択されることが一般的です。ルーカス3およびルーカスらによる5を参照してください。

h

表形式CUSUMの場合、hは中心線と管理限界の間にある標準偏差の数です。この値で管理外の信号が発生します。

V-mask CUSUMの場合、原点におけるV-maskの半分の幅(H)が、H = として計算されます。

hのデフォルトの値は4です。

k

表形式CUSUMの場合、kは工程で許容できる「ゆとり」を表します。CUSUMの点の計算式では、検出するずれのサイズをkで指定します。

V-mask CUSUMの場合は、kはV-maskの線の傾きを表します。ARL表を使ってkを選択できます。

kのデフォルトの値は0.5です。

FIR

FIR(高速初期応答)は、表形式CUSUMの初期化に使用される方法です。通常は表形式CUSUMは0で初期化されますが、開始時に工程が管理外の状態にあると、いくつかのサブグループを経るまで管理外が検出されません。

表形式CUSUM (累積和)

プロットされた点

CUSUM管理図にプロットされるデータは、CLiCUiです。

時間iでの表形式の下側CUSUMの値

ここで、

時間iでの表形式の上側CUSUMの値

ここで、

中心線

デフォルトで、表形式CUSUM管理図の中心線は0です。

下側管理限界(LCL)

上側管理限界(UCL)

表記

用語説明
サブグループ内平均
T 目標
k検出するずれのサイズ
σ工程標準偏差
m サブグループのサイズ
f FIR
h 決定区間

V-mask CUSUM

プロットされた点

時間iでのV-mask CUSUMの値Ci=

ここで、C0 = 0

V-maskの傾き

原点でのV-maskの幅

V-maskの原点

デフォルトの管理図は、原点pの推定にnを使用します。

表記

用語説明
T目標
kV-maskの線の傾き
h決定区間
mサブグループのサイズ

Box-Coxの方法と計算式

Box-coxの計算式

Box-Cox変換を使用する場合、Minitabでは、次の計算式に従って元のデータ値(Yi)を変換します。

ここでλは、変換のパラメータです。次にMinitabでは、変換されたデータ値(Wi)の管理図を作成します。Minitabでλの最適値を選択する方法については、Box-Cox変換の方法と計算式を参照してください。

共通のλ

次の表に、使用される一般的なλの値とその変換式を示します。
λ 変換
2
0.5
0
−0.5
−1
1 J. Prins and D. Mader (1997年−1998年). 『Multivariate Control Charts for Grouped and Individual Observations』,「Quality Engineering」, 10巻, 49頁- 57頁.
2 Z. Stoumbos, M.R. Reynolds, T.P. Ryan, and W.H. Woodall (2000年). 『The State of Statistical Process Control as We Proceed into the 21st Century』, 「Journal of the American Statistical Association」, 95巻, 992頁−998頁.
3 J.M. Lucas (1976年). 『The Design and Use of V-Mask Control Schemes』, 「Journal of Quality Technology」, 8巻, 1頁−12頁.
4 H.M. Wadsworth, K.S. Stephens, and A.B. Godfrey (2001年). 『Modern Methods for Quality Control and Improvement』, 第2版, John Wiley & Sons.
5 J.M. Lucas and R.B. Crosier (1982年). 『Fast Initial Response for CUSUM Quality-Control Schemes: Give Your CUSUM a Head Start』, 「Technometrics」, 24巻, 199頁−205頁.