多重変数の正規工程能力分析の概要

多重変数の正規工程能力分析を使用し、正規分布に基づいて、複数の工程変数の工程能力または1つの工程変数内の複数のグループの工程能力を比較します。この分析方法を使用することにより、次の分析を行うことができます。

  • 工程に、顧客の要件を満たす出力を生成する能力があるかどうかを判断します。
  • 工程の全体工程能力を、その工程の潜在的な(サブグループ内)工程能力と比較して、改善の機会を評価します。

分析を実行するには、下側または上側(または両方)の規格限界を指定して工程の要件を定義する必要があります。この分析では、規格限界に対して工程データの広がりが評価されます。工程に十分な能力がある場合、工程広がりは規格広がりよりも小さくなります。この分析では、工程が中心化されており、目標値が達成されているかどうかも示すこともできます。さらに、規格を満たさない製品の比率が推定されます。

たとえば、ある製造メーカーは2台の機械を使用してコネクタピンを生産しています。ピンの長さの規格範囲は13~25mmです。マネージャは、複数の変数について正規工程能力分析を使用して2台の機械の工程能力を比較します。

この分析には、非正規データを正規分布に適合するように変換する変換関数が含まれています。さらに、この分析を使用して、多重変数のサブグループ間/内分析を実行することもできます。

この分析の場所

多重変数の正規工程能力分析を実行するには、統計 > 品質ツール > 工程能力分析 > 多重変数(正規)を選択します。

他の分析を使用する場合

  • 工程データが管理されているかどうか、または正規分布を使用して工程データを評価可能かどうかが不明な場合は、この分析を使用する前に、正規工程能力シックスパックを使用してこれらの仮定について評価します。

  • データが非正規性を示すときに、非正規分布を適合させることによって各変数の工程能力を評価する場合は、データを変換する代わりに、多重変数の非正規工程能力分析使用します。

  • 工程変数を1つだけ使用し、グループ化変数は使用しない場合は、正規工程能力分析または工程能力分析間/内を使用します。