Z-MR管理図の方法と計算式

目的の方法または計算式を選択してください。

プロットされた点

Z管理図

Z管理図の各データ点、zi

MR管理図

各データ点、Ri、各グループのz値の移動範囲。Riは定義されていないため、i < wではプロットされません。

表記

用語説明
xi観測値i
μグループの平均
σグループの標準偏差
w移動範囲の幅

工程標準偏差の推定

Minitabには、4通りの工程標準偏差(σ)推定方法が用意されています。特定の工程/製品特性に基づいて、推定方法を選択する必要があります。経験値を入力することもできます。また、工程変動について仮定することが必要です。

次の情報を参考にして、推定方法を選択してください。

定数(すべてのデータを合算)

このオプションは、複数の実行および部品にわたってすべてのデータを合算して、1つのσ共通推定値が計算されます。

工程のすべての出力が測定値の大きさに関係なく同一の分散を有する場合に、このオプションを使用します。

サイズに比例(対数(データ)を使用してすべてのデータを合算)

このオプションは、データを自然対数変換し、すべての実行および部品にわたって変換されたデータを合算して、変換されたデータに対する1つのσ共通推定値が計算されます。測定値が大きくなるにつれて変動が大きくなる場合、自然対数を取ると変動が安定します。

測定値が増加するにつれて、分散がほぼ一定に増加する場合に、このオプションを使用します。

部品別(同じ部品/バッチのすべての実行を合算)

このオプションは、同じ部品のすべての実行をまとめ、その部品のσが推定されます。

特定部品または製品のすべての実行が同一分散を有する場合に、このオプションを使用します。

実行別(合算なし)
このオプションは、各実行のσが個別に推定されます。
特定部品または製品のすべての実行が同一分散を有することを仮定できない場合に、このオプションを使用します。

工程平均の推定

Z-MR管理図は、異なる部品または製品ごとに個別の平均を推定します。共通部品のすべてのデータを合算し、合算データの平均を取得します。結果として、その部品のμが推定されます。部品名データによって、工程平均を推定するためのグループ化が定義されます。サイズ別 (すべての観測値を組み合わせる、対数を使用)オプションを使用してσを推定する場合、データの自然対数でも平均が取得されます。

経験値を使用してデータを中心化することもできます。平均の経験値を使用すると、工程を過去の性能と比較できます。既知の平均を使用してデータを中心化する場合、位置に関して工程が過去と同様に機能しているかどうかが管理図に反映されます。つまり、管理図には各部品/製品の平均が以前と同じであるかどうかが表示されます。工程が位置に関して同様に機能している場合、値は中心線付近で(均等に)分布します。

各部品/製品の望目特性規格(目標値)を使用してデータを中心化することもできます。望目特性規格を使用してデータを中心化すると、工程を望ましい性能と比較できます。望目特性規格は、各部品/製品の目的の次元に設定された目標値です。望目特性規格を使用してデータを中心化する場合、工程で目標どおりの部品/製品が生産されているかどうか、または工程が偏っているかどうかが管理図に反映されます。

中心線と管理限界

Z管理図

中心線
中心線は、工程平均を表します。Z管理図では、データが標準化されているため、中心線は必ずゼロに位置しています。
下側管理限界(LCL)
データが標準化されているため、下側管理限界は必ず−3になります。
上側管理限界(UCL)
データが標準化されているため、上側管理限界は必ず3になります。

MR管理図

中心線
中心線は、移動範囲平均を表します。デフォルトの移動範囲平均推定法では、データが標準化されているため、中心線は必ず1.128になります。中間移動範囲推定法では、中心線は必ず0.954になります。
下側管理限界(LCL)
データが標準化されているため、下側管理限界は必ず0になります。
上側管理限界(UCL)
デフォルトの移動範囲平均推定法では、データが標準化されているため、上側管理限界は必ず3.686になります。中間移動範囲推定法では、上側管理限界は、必ず中間移動範囲0.954にD4(3.26729)を掛けた値3.12になります。