工程の広がりに基づいて潜在的な工程能力を評価するには、Cpを使用します。 潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
Cpでは工程の位置が考慮されないため、Cpは中心化した場合に工程が達成する潜在的な工程能力を示します。一般に、Cp値が高い場合は、工程能力が高いことを示します。Cp値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。
この場合、規格広がりは、サブグループ内の工程広がりよりも小さくなっています。したがって、Cpの値が低く(0.80)、変動性に基づく全体の潜在的な工程能力は不十分です。
この場合、規格広がりは、サブグループ内の工程広がりかなり大きくなっています。したがって、Cpの値が高く(2.76)、変動性に基づく潜在的な工程能力は良好です。
工程の潜在的な能力を評価するには、Cpをベンチマーク値と比較します。多くの業界でベンチマーク値1.33が使用されています。Cpがベンチマークより低い場合、工程の変動を低減することで工程を改善する方法を検討します。
CpとCpkを比較します。CpとCpkがほぼ等しい場合は、その工程は規格限界間の中央に中心があります(中心化)。CpとCpkが異なる場合、工程は中心化されていません。
Cpインデックスでは工程の位置を考慮しないため、規格限界によって定義される目標領域までの工程の近さは示されません。たとえば、次のグラフには、Cp値が同じ工程が2つ示されていますが、一方の工程は規格限界内に入っているのに対し、もう一方の工程は入っていません。
十分かつ正確な分析を行うには、他の工程能力インデックス(Cpkなど)と組み合わせてグラフを使用して、データから意味のある結論を引き出します。
潜在的な工程能力をその下側規格限界と比較して評価するには、CPLを使用します。潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
通常、CPL値が高い場合は、分布の下側の裾で工程能力が高いことを示します。CPL値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。
この例では、工程平均から下側規格限界(LSL)までの距離が片側工程広がりより小さくなっています。したがって、CPLの値が低く(0.81)、潜在的な工程能力は下側規格限界に対して不十分です。
この例では、工程平均から下側規格限界(LSL)までの距離が片側工程広がりより大きくなっています。したがって、CPLの値が高く(1.64)、潜在的な工程能力は下側規格限界に対して良好です。
工程の潜在的な能力を評価するには、CPLをベンチマーク値と比較します。多くの業界でベンチマーク値1.33が使用されています。CPLがベンチマークより低い場合、工程の変動を低減したり、位置をシフトするなど、工程を改善する方法を検討します。
CPL < CPUの場合は、工程で下側規格限界に違反する不良品が生産される可能性が高くなります。
CPU < CPLの場合は、工程で上側規格限界に違反する不良品が生産される可能性が高くなります。
潜在的な工程能力をその上側規格限界と比較して評価するには、CPUを使用します。潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
通常、CPU値が高い場合は、分布の上側の裾で工程能力が高いことを示します。CPU値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。
この例では、工程平均から上側規格限界(USL)までの距離が片側工程広がりより小さくなっています。したがって、CPUの値が低く(0.96)、潜在的な工程能力は上側規格限界に対して不十分です。
この例では、工程平均から上側規格限界(USL)までの距離が片側工程広がりよりかなり大きくなっています。したがって、CPUの値が高く(2.04)、潜在的な工程能力はその上側規格限界に関して良好です。
工程の潜在的な能力を評価するには、CPUをベンチマーク値と比較します。多くの業界でベンチマーク値1.33が使用されています。CPUがベンチマークより低い場合、工程の変動を低減したり、位置をシフトするなど、工程を改善する方法を検討します。
CPL < CPUの場合は、工程で下側規格限界に違反する不良品が生産される可能性が高くなります。
CPU < CPLの場合は、工程で上側規格限界に違反する不良品が生産される可能性が高くなります。
工程の位置と工程の広がりの両方に基づいて潜在的な工程能力を評価するには、Cpkを使用します。潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
一般に、Cpk値が高い場合は、工程能力が高いことを示します。Cpk値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。
この例では、工程平均から直近の規格限界(USL)までの距離が片側工程広がりより小さくなっています。したがって、Cpkの値が低く(0.80)、潜在的な工程能力は不十分です。
この例では、工程平均から直近の規格限界(LSL)までの距離が片側工程広がりより大きくなっています。したがって、Ppkの値が高く(1.68)、潜在的な工程能力は良好です。
Cpkを他の値と比較することにより、工程能力についてより詳しい情報を得ることができます。
Cpkを、工程で許容できる最低値を表すベンチマークと比較します。多くの業界でベンチマーク値1.33が使用されています。Cpkがベンチマークより低い場合、工程の変動を低減したり、位置をシフトするなど、工程を改善する方法を検討します。
CpとCpkを比較します。CpとCpkがほぼ等しい場合は、その工程は規格限界間の中央に中心があります(中心化)。CpとCpkが異なる場合、工程は中心化されていません。
PpkとCpkを比較します。工程が統計的に管理されている場合、PpkとCpkはほぼ等しいです。PpkとCpkの差は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に期待できる工程能力の改善幅を表します。
Cpkインデックスは、工程曲線の片側のみを表しており、工程曲線のもう一方の片側での工程の性能は測定されていません。
たとえば、次のグラフは同じCpk値を持つ2つの工程を表しています。しかし、1つの工程は両方の規格限界に違反しており、もう1つの工程は上側規格限界にのみ違反しています。
工程に規格限界の両側に入る不適合部品が含まれる場合は、ベンチマークZなどの他のインデックスを使用して工程能力をさらに十分に評価することを検討してください。
信頼区間は、工程能力インデックスの起こりうる値の範囲です。信頼区間は、下限と上限によって定義されます。限界値は、サンプル推定値の誤差幅を算定することによって計算されます。下側信頼限界により、工程能力インデックスがそれより大きくなる可能性が高い値が定義されます。上側信頼限界により、工程能力インデックスがそれより小さくなる可能性が高い値が定義されます。
信頼区間を表示するには、オプションをクリックして、工程能力分析を実行するときに信頼区間を含むを選択する必要があります。Minitabでは、Cp、Pp、Cpk、Ppk、Cpm、ベンチマークZの信頼区間または信頼限界を表示します。
データのサンプルはランダムであるため、工程から収集された異なるサンプルによって同一の工程能力インデックス推定値が算出されることはまずありません。工程の工程能力インデックスの実際の値を計算するには、工程で生産されるすべての品目のデータを分析する必要がありますが、それは現実的ではありません。代わりに、信頼区間を使用して、工程能力インデックスの可能性の高い値の範囲を算定することができます。
信頼水準が95%の場合は、工程能力インデックスの実際値が信頼区間に含まれるということを95%の信頼度で確信できます。つまり、工程から100個のサンプルをランダムに収集する場合、サンプルのおよそ95個において工程能力の実際値が含まれる区間が作成されると期待できます。
信頼区間により、サンプル推定値の実質的な有意性を評価しやすくなります。可能な場合は、信頼限界を、工程の知識または業界の基準に基づくベンチマーク値と比較します。
たとえば、能力の高い工程を定義するため、会社がPpkの最小ベンチマーク値として1.33を使用するとします。工程能力分析を使用して計算した結果、Ppkの推定値は1.46になりました。これは、工程能力が高いことを示しています。この推定値をさらに評価するため、Ppkの95%の下側信頼限界を表示します。95%の下側信頼限界が1.33より大きい場合は、推定値に影響するランダムサンプリングによる変動性を考慮に入れても、その工程の能力が高いことを極めて高い信頼度で信頼できます。
Z.LSL(サブグループ内)は、工程平均と下側規格限界(LSL)の間の標準偏差の数です。潜在的な(サブグループ内)工程に基づいて、サブグループ内標準偏差を使用して計算されます。
この例では、サブグループ内標準偏差は、水平方向のスケール上の目盛りによって表されています。工程平均から下側規格限界までの距離は、標準偏差の2倍であるため、Z.LSL(サブグループ内)の値は2です。
Zベンチ測度を表示するには、オプションをクリックし、工程能力分析を実行したときのデフォルトの出力を工程能力統計量からZベンチに変更する必要があります。
潜在的なσ工程能力をその下側規格限界と比較して評価するには、Z.LSL(サブグループ内)を使用します。潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
通常、Z.LSL値が高い場合は、分布の下側の裾で工程能力が高いことを示します。値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。可能な場合は、Z.LSL(サブグループ内)を、工程の知識または業界の基準に基づくベンチマーク値と比較します。Z.LSLがベンチマークより低い場合、工程を改善する方法を検討します。
Z.USL(サブグループ内)は、工程平均と上側規格限界(USL)の間の標準偏差の数です。潜在的な(サブグループ内)工程に基づいて、サブグループ内標準偏差を使用して計算されます。
この例では、サブグループ内標準偏差は、水平方向のスケール上の目盛りによって表されています。工程平均から上側規格限界までの距離は、標準偏差の2倍であるため、Z.USL(サブグループ内)の値は2です。
Zベンチ測度を表示するには、オプションをクリックし、工程能力分析を実行したときのデフォルトの出力を工程能力統計量からZベンチに変更する必要があります。
潜在的なσ工程能力をその上側規格限界と比較して評価するには、Z.USL(サブグループ内)を使用します。潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
通常、Z.USL値が高い場合は、分布の上側の裾で工程能力が高いことを示します。値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。可能な場合は、Z.USL(サブグループ内)を、工程の知識または業界の基準に基づくベンチマーク値と比較します。Z.USLがベンチマークより低い場合、工程を改善する方法を検討します。
ベンチマークZ(サブグループ内)は、工程での欠陥推定確率を上側の裾の確率に変換する標準正規分布での百分位数です。潜在的な(サブグループ内)工程性能に基づき、サブグループ内標準偏差を使用して計算されます。
工程での欠陥が規格限界の両側に入ります。サブグループ内標準偏差は目盛によって表示されます。
分布の右側の裾にすべての欠陥を配置し、その後中心(垂直線)から総欠陥数を定義する点までのサブグループ内標準偏差の数を測定すると、ベンチマークZ(サブグループ内)の値が得られます。
Zベンチ測度を表示するには、オプションをクリックし、工程能力分析を実行したときのデフォルトの出力を工程能力統計量からZベンチに変更する必要があります。
潜在的なσ工程能力を評価するには、ベンチマークZ(サブグループ内)を使用します。潜在的な工程能力は、工程のシフトとドリフトが除外された場合に達成可能な工程能力を示します。
一般に、ベンチマークZ(サブグループ内)の値が高い場合は、工程能力が高いことを示します。値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。可能な場合は、ベンチマークZ(サブグループ内)を、工程の知識または業界の基準に基づくベンチマーク値と比較します。ベンチマークZ(サブグループ内)がベンチマークより低い場合、工程を改善する方法を検討します。
ベンチマークZ(サブグループ内)とベンチマークZ(全体)を比較します。工程が統計的に管理されている場合、ベンチマークZ(サブグループ内)とベンチマークZ(全体)はほぼ等しいです。工程を管理できる見込みがある場合、2つの値の差は、工程能力の改善幅を表します。 ベンチマークZ(サブグループ内)は、ベンチマークZ短期(ST)と呼ばれることもあります。
CCpk 値とベンチマークを比較して工程を改善するかどうかを判断します。多くの業界でベンチマーク値 1.33 を使用しています。
たとえば、以下の工程には許容できない CCpk 値があります。 CCpk 値は幅広くなっており、平均が目標にあっても工程は両方の規格限界を破っています。
目標を設定せず、規格限界が 1 つだけの場合、 CCpk は Cpk と等しくなります。