コクラン-マンテル-ヘンツェル検定とは

コクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)検定を実行するには、統計 > > クロス集計とカイニ乗を選択し、他の統計をクリックします。

コクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)検定を使用して、第3のカテゴリ変数がある場合の2つの2値変数の条件的関連性を検定します。たとえば、3つの州での候補者AとBの選挙戦の結果を分析しているとします。最初の表には3州すべての投票が性別ごとにまとめられています。フィッシャーの正確検定ではp値0.008で有意な結果となり、性別と投票結果に従属関係があることを示しています。

性別 候補者A 候補者B
女性 942 737
男性 737 699
3州の投票結果をすべてまとめた表

フィッシャーの正確検定: P値= 0.0076587

しかし、この関連に対して、投票者の居住する州が潜在変数として作用しているかどうかを調べたいとします。そこで、全投票をまとめた表を分割し、性別ごとの投票を州別に3つの表に集計しました。コクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)検定では、男性と女性の投票での明らかな違いが、性別によるものなのか、投票者が居住する州による潜在変数からのものなのかを判定できます。この例では、次の3つの表を検定で分析します。

性別 候補者A 候補者B
女性 524 227
男性 240 102
X州に居住する投票者
性別 候補者A 候補者B
女性 160 250
男性 243 355
Y州に居住する投票者
性別 候補者A 候補者B
女性 258 260
男性 254 242
Z州に居住する投票者

CMH検定は、居住する州を対照群として使用しながら投票と性別の関連度を評価します。有意かどうかを評価するために、複数の表にわたる共通オッズ比とp値を計算します。

この例では、CMH検定が0.95の共通オッズ比を算出しました。この観測統計量からは、すべての州にわたって女性が候補者Aに投票する見込みは、男性が候補者Aに投票する見込みの0.95倍であることがわかり、つまりは、候補者Aに投票する見込みは女性でも男性でもほぼ同じだといえます。また、CMH検定は、共通オッズ比の統計的な有意性を評価するためにp値を計算します:この例でのp値= 0.55は全く有意ではありません。したがって、全集計した表では投票と性別に関連がありそうに見えても、投票者の居住する州を対照群として使用することで投票と性別は、各州内で、独立したものだと結論付けられます。また、投票パターンの差は、性別によるものではなく、州による可能性もあります。このCMH検定では投票に対する性別からの影響は有意ではないと判定されたため、次は、投票者が居住する州が各性別の投票に影響するかどうかを分析するとよいでしょう。

このCMH検定では三元交互作用が存在しないと仮定しています。