一元配置分散分析の検出力とサンプルサイズの主要な結果の解釈

一元配置分散分析の検出力とサンプルサイズを解釈するには、次の手順を実行します。主要な出力には、最大差の計算、サンプルサイズ、検出力、および検出力曲線が含まれます。

ステップ1: 計算された値を調べる

入力した2つの検出力関数変数の値を使用して、差、サンプルサイズ、または検定の検出力が計算されます。

最大差

サンプルサイズと検出力を指定すると、適切な検出力で検出できる最小の差の値が計算されます。この差は、検定対象の母集団の最小平均と最大平均の差です。たとえば、ある研究者が4つの異なる配合の塗料の硬度を調べる場合、最大差が4であるということは、検定によって適切な検出力で、最も柔らかい配合と最も硬い配合の4以上の差を検出できることを示しています。

サンプルサイズが大きくなるほど、小さな差を検出できます。用途に対して実質的に影響のある最小の差を検出できるようにする必要があります。

サンプルサイズ

検出力と最大差を入力すると、必要なサンプルサイズが計算されます。サンプルサイズとは、各グループ内の観測値数を指します。サンプルサイズは整数であるため、検定の実際の検出力は、指定した検出力値よりもわずかに大きくなる場合があります。

サンプルサイズを大きくすると、検定の検出力も高くなります。適切な検出力を達成するには、サンプル内の観測値数が十分である必要があります。しかし、サンプルサイズを大きくしすぎて、不必要なサンプリングに時間と費用を浪費したり、重要でない差が統計的に有意であることを検出することは望ましくありません。

検出力

最大の差と標本の大きさを入力すると、Minitabでは、検定の検出力が計算されます。検出力は通常、0.9で十分だと考えられます。0.9という値は、少なくとも2つの平均の差が実際に母集団に存在する場合に、差を90%の確率で検出できることを示します。検定の検出力が弱い場合、差を検出できず、何も存在しないという誤った結論を出す可能性があります。通常、標本の大きさまたは差が小さいほど、検定の差の検出力は弱くなります。

一元配置分散分析 (ANOVA)
α= 0.05  仮定された標準偏差= 1.64
因子: 1  水準の数: 4

結果

最大差サンプルサイズ検出力
450.826860
サンプルサイズは各水準に対するものです。
主要な結果: 最大差、サンプルサイズ、検出力

これらの結果では、4つのグループの各サンプルサイズ5および最大差4に基づいて、最小平均と最大平均との差を検出するための検定の検出力は約0.83であると計算されています。検出力曲線を使用して、最大差をどれだけ大きくすると、指定したサンプルサイズで検出力0.9を達成できるかを判断することもできます。

ステップ2: 検出力曲線を調べる

検出力曲線を使用して、検定に適したサンプルサイズと検出力を評価します。

この検出力曲線は、サンプルサイズ、有意水準、標準偏差、および水準数を一定に保って、検出力と最大差(最小平均と最大平均の差)のすべての組み合わせを表します。検出力曲線上の記号は、2つのプロパティに入力した値に基づいて計算された値を表します。たとえば、サンプルサイズと最大差を入力すると、それに対応する検出力が計算され、その値がグラフ上に表示されます。

曲線上の値を調べることにより、特定の検出力とサンプルサイズにおいて検定で検出できる最大差を決定できます。通常、検出力の値として0.9は適切であるとされます。ただし、分析者によっては、検出力の値として0.8が適切であると考えることもあります。一元配置分散分析の検出力が低い場合、最小平均と最大平均の差が実際には存在するにもかかわらず検出できない可能性があります。

検出する差が大きいほど、検出力が高くなります。実質的に影響のある最小の差を検出する必要があります。サンプルサイズを大きくすると、検定の検出力も高くなります。適切な検出力を達成するには、サンプル内の観測値数が十分である必要があります。しかし、サンプルサイズを大きくしすぎて、不必要なサンプリングに時間と費用を浪費したり、統計的に有意な重要でない差を検出することは望ましくありません。

このグラフでは、サンプルサイズごとに1つの曲線が示されています。各グループのサンプルサイズ5の検出力曲線は、4の最大差に対して検定の検出力が約0.8であることを示しています。サンプルサイズ7の検出力曲線は、4の最大差に対して検定の検出力が約0.95であることを示しています。サンプルサイズ9の検出力曲線は、4の最大差に対して検定の検出力が1に近づいていることを示しています。各サンプルサイズの曲線において、最大差が大きくなるにつれて検出力も高くなります。