Minitabでは、入力した2つの検出力関数変数の値が用いられ、比較比率、サンプルサイズ、検定の検出力が計算されます。
Minitabでは、比較比率が計算されます。比較比率と仮説比率の差は、各サンプルサイズで指定したレベルの検出力に到達できる最小差です。サンプルサイズが大きいほど、検定で小さな差を検出できるようになります。応用に実際的な影響を与える最小差を検出します。
Minitabでは、仮説比率と比較比率の差を検出するために指定した検出力にどれぐらいの大きさのサンプルが必要なのかが、計算されます。サンプルサイズは整数であるため、検定の実際の検出力は、指定した検出力値よりわずかに大きいかもしれません。
サンプルサイズを大きくすると、検定の検出力も高まります。十分な検出力に到達できるよう、サンプルに十分な観測値がほしいところです。ですが、サンプルサイズを大きくして、不要な抽出で時間とお金を無駄にし、重要ではない差を統計的に優位に検出したりしたくはありません。
Minitabでは、指定した比較比率とサンプルサイズに基づいて、検定の検出力が計算されます。検出力は通常、0.9で十分だと考えられます。値0.9は、差が実際に存在する場合に、仮説比率と母集団比較比率の差を検出できる確率が90%であることを示します。検定の検出力が低いと、差を検出できず、差は存在しないと誤って結論付けてしまう可能性があります。通常、サンプルサイズが小さいまたは差が小さい場合、検定の差に対する検出力は弱くなります。
比較p | サンプルサイズ | 検出力 |
---|---|---|
0.045 | 500 | 0.431131 |
0.045 | 1000 | 0.764259 |
0.085 | 500 | 0.449114 |
0.085 | 1000 | 0.703796 |
これらの結果の示すこととは、比較比率が0.045、サンプルサイズが500、1000の場合、検定の検出力は各サンプルサイズでそれぞれ約0.43、0.76だということです。比較比率が0.085、サンプルサイズが500、1000の場合、検定の検出力は各サンプルサイズでそれぞれ約0.45、0.7です。検定の検出力が比較比率0.045、0.085に不十分であるため、可能な場合は、サンプルサイズを増やすべきです。検出力曲線を使って、特定のサンプルサイズのどの比較比率で検定が十分な検出力(0.9)に到達するのかを判断することもできます。
検出力曲線を使用して、検定に適したサンプルサイズと検出力を評価します。
この検出力曲線は、有意水準を一定に保って、各サンプルサイズに対する検出力と比較比率のすべての組み合わせを表します。検出力曲線上の記号は、入力した値に基づいて計算された値を表します。たとえば、サンプルサイズと検出力の値を入力すると、それに対応する比較比率が計算され、計算された値がグラフ上に表示されます。
曲線上の値を調べることにより、特定の検出力値とサンプルサイズにおいて検出できる比較比率と仮説の比率の差を決定できます。通常、検出力の値として0.9は適切であるとされます。ただし、分析者によっては、検出力の値として0.8が適切であると考えることもあります。仮説検定の検出力が低い場合、実際には有意である差を検出できない可能性があります。サンプルサイズを大きくすると、検定の検出力も高くなります。適切な検出力を達成するには、サンプル内の観測値数が十分である必要があります。しかし、サンプルサイズを大きくしすぎて、不必要なサンプリングに時間と費用を浪費したり、統計的に有意な重要でない差を検出することは望ましくありません。検出する差のサイズを小さくすると、検出力も低くなります。
このグラフのサンプルサイズが500の検出力曲線は、比較比率0.045に対する検定の検出力は0.431で、比較比率0.085に対する検定の検出力は0.449であることを示しています。サンプルサイズが1000の場合、比較比率0.045に対する検定の検出力は0.764で、比較比率0.085に対する検定の検出力は0.704です。検定の検出力が、比較比率とベースライン比率の間の0.065の差を検出するために十分でないため、可能であればサンプルサイズを大きくします。また、検出力曲線を使用して、指定したサンプルサイズで十分な検出力を達成できる異なる値を調べることもできます。