フリードマン検定の方法と計算式

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S

検定統計量は、カイ二乗(X2)分布に近似しており、自由度(k - 1)が関連付けられています。1つ以上のブロック内のデータに同順位がある場合、Minitabでは、平均順位を使用し、同順位に応じて補正されている検定統計量を出力します。この手法の詳細については、M. Hollander and D.A. Wolfe (1973)1を参照してください。

計算式

カイ二乗検定統計量を計算するため、Minitabでは、各ブロック内でデータを別々に順位付けしてから、処理ごとに順位の和を求めます。

データに同順位が含まれない場合、計算式は次のようになります。

データに同順位が含まれる場合、計算式は次のようになります。

ここでCは、次の値に等しい補正因子です。

表記

用語説明
j1、2、...、k
k処理条件の数
nブロック数
Rj処理jの順位の和
ii1、2、...、m
m同順位セットの数
tii番目の同順位のセットに含まれる同順位スコアの数
  1. M. Hollander and D.A. Wolfe (1973). Nonparametric Statistical Methods, John Wiley & Sons, Inc.

総中央値

処理効果、ブロック調整値、および総中央値の計算方法を理解するため、次のデータについて考慮します。

  ブロック
処理 1 2 3 4
1 0.15 0.26 0.23 0.99
2 0.55 0.26 −0.22 0.99
3 0.55 0.66 0.77 0.99

処理効果(Doksum手法1)を計算するには、まず処理ペア間の中央値の差を求めます。処理1から処理2を差し引いたペアワイズ差は、0.15 - 0.55 = -0.4、0.26 - 0.26 = 0、0.23 - (-0.22) = 0.45、0.99 - 0.99 =0です。これらの差の中央値は0です。他の2つのペアでこの計算を実行すると、処理1から処理3を差し引いた場合には-0.4が得られ、処理2から処理3を差し引いた場合には-0.2が得られます。

各処理の効果は、その処理と他のすべての処理(その処理自体を含む)との間の中央値差の平均です。この例のデータの場合、効果(2)= [中央値 (2 - 1) + 中央値 (2 - 2) + 中央値 (2 - 3)]/3 = (0.00 + 0.00 - 0.20)/3 = -0.0667です。同様に、効果(1)= -0.1333、および効果(3)= 0.20です。

調整されたブロック中央値を計算するには、観測値から適度な処理効果を差し引くことによって各観測値を調整します。調整されたブロック中央値は、これら調整されたデータの単なる中央値であり、各ブロック内で計算されます。総中央値は、調整済みブロック中央値の中央値です。処理水準ごとの推定される中央値は、処理効果に総中央値を加算した値です。

  1. M. Hollander and D.A. Wolfe (1973). Nonparametric Statistical Methods, John Wiley & Sons, Inc., pp. 158 – 161.

同順位値の順位付け

同順位値は、2つ以上の観測値が等しい場合に発生します。データが同順位値の場合、Minitabでは次のようにしてデータに順位付けします。
  1. 観測値を昇順で並べ替えます。
  2. 同順位が存在しなかったかのように各観測値に順位を付けます。
  3. 同順位セットの場合は、対応する順位の平均を求め、この値を新しい順位としてそのセットの各同順位値に割り当てます。

サンプルには9個の観測値(2.4、5.3、2.4、4.0、1.2、3.6、4.0、4.3、および4.0)があります。

観測値 順位(同順位なしと仮定) 順位
1.2 1 1
2.4 2 2.5
2.4 3 2.5
3.6 4 4
4.0 5 6
4.0 6 6
4.0 7 6
4.3 8 8
5.3 9 9

検定統計量の計算には次の情報も使用されます。
  • 同順位セットの数 = 2
  • 最初のセットに含まれる同順位値の数 = 2
  • 2 番目のセットに含まれる同順位値の数 = 3