フリードマン検定のすべての統計量を解釈する

Friedman検定で使用されるすべての統計量の定義と解釈について解説します。

N

サンプルサイズ(N)は、各グループに含まれる観測値の合計数です。

解釈

サンプルサイズは、信頼区間と検定の検出力に影響します。

通常、サンプルサイズが大きいほど信頼区間が狭くなります。また、サンプルサイズが大きいほど、検定での差の検出力が高くなります。詳細は、検出力とはを参照してください。

中央値

中央値はデータセットの中間点です。この中間点の値は、観測値の半分がその値より上にあり、観測値の半分がその値より下にあるという点です。中央値は、観測値に順位付けし、順位付けされた順序での順位[N + 1] / 2にある観測値を検出することによって算定されます。データに含まれる観測値の数が偶数の場合、その中央値は、N/2および[N/2] + 1の数で順位付けされた観測値の平均値です。

解釈

サンプル中央値は、各グループの母集団中央値の推定値です。全体の中央値は、すべての観測値の中央値です。

順位の和

Minitabでは、各ブロック内でデータを別々に順位付けしてから、処理ごとに順位の和を求めます。データ値が高いほど、順位も高くなります。

解釈

順位の和が大きいということは、処理が高い順位に関連付けられていることを示します。Minitabでは、順位の和を使用して、Friedman検定の検定統計量Sを計算します。

帰無仮説と対立仮説

帰無仮説と対立仮説は、ある母集団についての相互に排他的な2つの仮説です。仮説検定手法では、サンプルデータを用いて帰無仮説を棄却するかどうかを判断します。
帰無仮説
帰無仮説では母集団パラメータ(平均や標準偏差など)は仮説値に等しいと仮定します。帰無仮説とは多くの場合、前回の分析や専門知識を基にした最初の主張を指します。
対立仮説
対立仮説では、母集団パラメータは帰無仮説の仮説値よりも小さい、大きい、異なると仮定します。対立仮説とは、真であると確信できる、または真であることの証明が期待できる仮説を指します。

DF

自由度(DF)は、データ内のグループ数から1を差し引いた数と等しくなります。帰無仮説では、カイ二乗分布により、指定した自由度で検定統計量の分布を近似します。Minitabでは、カイ二乗分布を使用してこの検定のp値を推定します。

カイ二乗

カイ二乗は、フリードマン検定での検定統計量です。帰無仮説では、カイ二乗分布によって検定統計量の分布に近似します。この近似分布は、ブロックの数またはランダム化されたブロック乱塊法での処理の数が5より大きい場合にはほぼ正確です。

解釈

Minitabで検定統計量を使用して計算されるp値に基づいて、項およびモデルの統計的有意性を決定します。p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。

十分に大きな検定統計量は、中央値間の少なくとも1つの差が統計的に有意であることを示します。

その検定統計量を使用して、帰無仮説を棄却するかどうかを判断できます。ただし通常は、検定のp値を使用して同じ決定を下すほうがより実用的で便利です。

p値

p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。

解釈

p値を使用して、中央値間の差のいずれかが統計的に有意かどうかを判定します。

中央値間の差のいずれかが統計的に有意かどうかを判断するために、p値を有意水準と比較し、帰無仮説を評価します。帰無仮説では母集団の中央値がすべて等しくなります。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には差が存在しない場合に、差が存在すると結論付けてしまうリスクが5%であるということを示します。
p値 ≤ α:いくつかの中央値間の差は統計的に有意です
p値が有意水準以下の場合は、帰無仮説を棄却し、母集団のすべての中央値が等しいとは限らないと結論付けます。専門知識を使用して、差が実質的に有意かどうかを判定します。 詳細は統計的有意性と実質的有意性を参照してください。
p値 > α:中間値の間の差は統計的に有意ではありません
p値が有意水準より大きい場合、母集団の中央値がすべて等しいという帰無仮説を棄却するのに十分な証拠は得られません。検定の検出力が、実質的に有意な差を検出するのに十分であることを検証します。詳細は仮説検定の検出力を高めるを参照してください。