1サンプルウィルコクソン検定の方法と計算式

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ペアワイズ平均

ペアワイズ平均(Walsh平均とも呼ばれる)は、データセット内の考えられる値のペアごとの平均のことで、これには各値とそれ自身のペアも含まれます。

計算式

= i ≤ jの場合のすべてのペアワイズ平均。

= ペアワイズ平均の合計数

表記

用語説明
Yiデータセットでのi番目の値
Yjデータセットでのj番目の値
nサンプルサイズ

推定された中央値

W(1) < W(2) < ... < W(M)が、ペアワイズ平均(別名Walsh平均、M = n(n+1)/2)の順序付けされた値を意味するとします。Mが奇数の場合、推定される中央値は中間値です。Mが偶数の場合、推定される中央値は2つの中間値の平均です。Minitabでは、Johnson and Mizoguchi(1978)1に基づくアルゴリズムを使用して、母集団の中央値の点推定値を算定します。
  1. D.B. Johnson and T. Mizoguchi (1978). "Selecting the Kth Element in X + Y and X1 + X2 + ... + Xm," SIAM Journal of Computing 7, pp.147-153.

Wilcoxon統計量

Wilcoxon統計量は、仮説中央値より大きなペアワイズ平均(別名Walsh平均)の数に、仮説中央値と等しいペアワイズ平均の数の半分を加えた値です。Wilcoxon統計量はWで表されます。Minitabでは、Johnson and Mizoguchi(978)1に基づくアルゴリズムを使用して検定統計量を算出します。

  1. D.B. Johnson and T. Mizoguchi (1978). "Selecting the Kth Element in X + Y and X1 + X2 + ... + Xm," SIAM Journal of Computing 7, 147-153.

p値

Wilcoxon検定統計量Wは、仮説の中央値を超過する観測値に関連付けられている順位の合計です。Minitabでは、Johnson and Mizoguchi1の説明に従い、ペアワイズ(Walsh)平均値を使用することによって検定統計量を計算します。

  1. 観測値の数Nは、仮説の中央値と等しい観測値ごとに1差し引かれます。算出されるサンプルサイズはnです。
  2. 仮説の中央値と等しい観測値は除外されます。観測値がi ≤ iの場合のn(n + 1) / 2ペアワイズWalsh平均(Yi + Yj) / 2を計算します。

サンプルサイズが大きい場合、Wの分布はほぼ正規です。具体的には、次のようになります。

は、平均値0および標準偏差1、N(0、1)として、ほぼ正規分布のように分布します。

3つの対立仮説の正規近似p値で、連続量修正値0.5を使用します。
対立仮説 p値
H1: 中央値 > 仮説中央値
H1: 中央値 < 仮説中央値
H1: 中央値 ≠ 仮説中央値

表記

用語説明
n仮説の中央値と等しい観測値の後に観測されるデータ点の数は省略されます。
WWilcoxon検定統計量
w仮説中央値を超過したWalshの平均値の数に、仮説中央値と等しいWalshの平均値の数の半分を加えた数。
k
  1. D.B. Johnson and T. Mizoguchi (1978). "Selecting the Kth Element in X + Y and X1 + X2 + ... + Xm," SIAM Journal of Computing 7, pp.147-153.

信頼区間

信頼区間は、「H0: 中央値 = d」の検定が「H1: 中央値 ≠ d」を支持して棄却されない場合の値(d)のセットで、信頼水準(α = 1 -(信頼度の割合)/ 100)を使用します。1サンプルWilcoxon検定では、Wilcoxon統計量が離散しているため、指定する信頼水準が必ず達成されるとは限りません。このためMinitabでは、連続性補正を伴う正規近似を使用して、達成可能な最も近い信頼水準を計算します。