1サンプルウィルコクソン検定の主要な結果を解釈する

次の手順を実行して、1サンプルWilcoxon検定を解釈します。主要な結果には、推定された中央値、信頼区間、およびp値が含まれます。

ステップ1:母集団の中央値の信頼区間を判断する

まず、サンプル中央値を考慮し、次に信頼区間を調べます。

サンプルデータの中央値は、母集団中央値の推定値です。中央値は母集団全体ではなくサンプルデータに基づくため、サンプル中央値が母集団中央値に一致する可能性は低いと言えます。より良好に母集団中央値を推定するためには、信頼区間を使用します。

信頼区間は、母集団中央値の値が含まれる可能性が高い範囲です。たとえば、95%の信頼水準は、母集団から100個のサンプルをランダムに採取した場合、そのうちおよそ95個からは母集団中央値を含む区間が得られると期待することができます。信頼区間により、結果の実質的な有意性を評価しやすくなります。状況に応じた専門知識を利用して、信頼区間に実質的に有意な値が含まれているかどうかを判断します。信頼区間が広すぎて役に立たない場合、サンプルのサイズを増加させることを検討します。

ウィルコクソン統計量には離散性があるため、必要な信頼水準で信頼区間を達成できるとは限りません。Minitabでは、連続性補正を伴う正規近似を使用して、最も近い達成可能な値が計算されます。

Minitabでは項目が一度に1つだけ計算されるため、信頼区間と検定結果の両方を得るには分析を2回実行する必要があります。

記述統計量

サンプルN中央値ηに信頼区間達成された信頼性
時間1611.55(9.2, 12.6)94.75%
主要な結果:中央値、ηの信頼区間

これらの結果では、反応時間の母集団中央値の推定値は11.55です。94.75%の信頼度で、母集団の中央値が9.2から12.6の間に含まれると考えることができます。

ステップ2:検定結果が統計的に有意かどうかを判断する

母中央値と仮説中央値の差が統計的に有意かどうかを判断するには、p値を有意水準と比較します。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。有意水準が0.05の場合は、実際には差がないのに差が存在すると結論付けるリスクが5%あることを示します。
p値 ≤ α: 中央値間の差は統計的に有意です(H0を棄却する)
p値が有意水準以下の場合は、帰無仮説を棄却する決定を下します。母中央値と仮説中央値の差は統計的に有意であると結論付けることができます。専門知識に基づいて、差が実際に有意かどうかを判断します。詳細は、統計的有意性と実質的有意性を参照してください。
p値 > α: 中央値間の差は有意に異なりません(H0を棄却しない)
p値が有意水準よりも大きい場合は、帰無仮説を棄却しない決定を下します。母中央値は仮説中央値と有意に異なると結論付けるだけの十分な証拠はありません。検定の検出力が、実質的に有意な差を検出するのに十分であることを確認してください。

Minitabでは項目が一度に1つだけ計算されるため、信頼区間と検定結果の両方を得るには分析を2回実行する必要があります。

検定

帰無仮説H₀: η = 12
対立仮説H₁: η < 12
サンプル検定用の数Wilcoxon統計p値
時間1653.000.227
主要な結果:p値

反応時間の中央値の帰無仮説では、反応時間の中央値は12分です。p値はおよそ0.227で、この値は有意水準値0.05より大きいため、帰無仮説を棄却することはできず、中央値反応時間は12分未満と結論付けることはできません。