2サンプル同等性検定の記述統計量

2サンプル同等性検定で提供される各記述統計量の定義と解釈のガイドをご覧ください。

N

サンプルサイズ(N)は、サンプルに含まれる観測値の合計数です。

解釈

サンプルサイズは、信頼区間および検定の検出力に影響します。通常は、サンプルサイズが大きいほど信頼区間が狭くなります。また、大きいサンプルのほうが検定の検出力が高くなります。

同等性検定での検出力についての詳細は、同等性検定の検出力を参照してください。

平均

平均は、データの中心を識別する単一値で各サンプルの値を要約します。平均はデータの算術平均として計算され、すべての観測値の和を観測値の数で割ったものです。

解釈

検定サンプルの平均は、検定母集団の平均の推定値です。参照サンプルの平均は、参照母集団の平均の推定値です。したがって、サンプル平均間の差(または比)によって、検定母集団の平均と参照母集団の平均の差(または比)の推定値が得られます。

推定値は母集団全体ではなくサンプルデータに基づいているため、母集団の差(または比)に等しいと確信することはできません。母集団の推定値の精度を評価するには、信頼区間を使用できます。

標準偏差

標準偏差(StDev)とは、散布度、つまり平均に関連してデータがどれだけ変動性があるかを表す最も一般的な測度です。多くの場合、工程に対してランダム(自然)な変動は雑音と呼ばれます。

標準偏差は、データと同じ単位を使用します。多くの場合、母集団の標準偏差を表すには記号σ(シグマ)が使用されます。サンプルの標準偏差を表すには文字sが使用されます。

解釈

標準偏差を使用して、平均からのデータの拡散程度を判断します。

サンプルデータの標準偏差は、母標準偏差の推定値です。値が高い場合、データの変動性が高い、つまり「雑音」が大きいことを示します。標準偏差は、信頼区間とp値を計算するために使用します。値が高いと、信頼区間が広くなり、統計的検出力が低くなります。

平均の標準誤差

平均の標準誤差(平均のSE)では、同じ母集団から繰り返しサンプルを抽出した場合に得られるサンプル平均間の変動性が推定されます。平均の標準誤差はサンプル間の変動性を推定し、標準偏差は単一サンプル内の変動性を測定します。

たとえば、ランダムサンプルである312個の配達時間に基づいた平均配達時間は3.80日、標準偏差は1.43日であるとします。この数値から求められる平均の標準誤差は、0.08日(1.43を312の平方根で割ったもの)です。同じ母集団から同じサイズのランダムサンプルを複数抽出すると、異なるサンプル平均の標準偏差はおよそ0.08日になります。

解釈

平均の標準誤差を使用して、サンプル平均がどれだけ正確に母集団平均を推定するかを判断します。

平均の標準誤差の値が小さいと、母平均の推定値の精度が高くなります。通常、標準偏差が大きいと、平均の標準誤差が大きくなり、母平均の推定値の精度が低くなります。サンプルサイズが大きいと、平均の標準誤差が小さくなり、母平均の推定値の精度が高くなります。

Minitabは、平均の標準誤差を使用して信頼区間を計算します。

併合標準偏差

併合標準偏差とは、両方のサンプルの共通標準偏差の推定値です。併合標準偏差は、グループ平均(全体の平均ではない)を中心とした全データ点の標準偏差です。グループの大きさに比例して併合標準偏差の全体の推定値に対する影響は大きくなります。

検定の等分散を仮定する場合、Minitabは併合標準偏差を計算します。

解釈

併合標準偏差は、標準誤差、信頼区間、p値を計算するために使用します。

標準偏差が高い場合、データの広がりが大きいことを示します。値が高いと信頼区間の精度が低く(広く)なり、検定の検出力が低くなります。