分散は、平均を中心としたデータの広がり方を測定します。分散は、標準偏差の二乗に等しくなります。

分散を監視することは、工程分散の減少が精度の向上や欠陥数の減少につながるため、製造業や品質産業では非常に重要です。たとえば、工場で長さが50mmの木工用の釘を製造していて、その釘が規格を満たすにはその長さが目標値50mmから2mm以内の誤差に収まっている必要があるとします。その工場では、2種類の機械を使用して釘を製造しています。両方の機械が、正規分布に従った長さで平均長が50mmの釘を製造しています。ただし、それぞれの機械で製造される釘は分散が異なり、次の図で実線の分布で示される機械Aは、分散が9mm2の釘を製造し、次の図で点線の分布で示される機械Bは、分散が1mm2の釘を製造します。各機械の釘の長さの分布は重なっていて、上側規格境界値と下側規格境界値が垂直に示されています。
釘の長さの分布

機械Aの釘の長さは、機械Bの釘の長さよりも分散が大きくなっています。このため、任意の機械Aの釘は、機械Bの釘よりも規格限界の外側になる可能性が大きくなります。