仮説検定およびその他の種類の推測統計量の基礎を理解するためには、サンプルと母集団の違いを理解することが重要です。
母集団とは、推定を行う対象となる人々、項目、または事象の集まりです。母集団全体の各成分すべてを調査するのは、場合によっては不便だったり、不可能だったりします。たとえば、農場で摘果したすべてのりんごの傷みを数えるのは実際的ではありません。ただし、その母集団から抽出したりんごのセットの傷みなら数えることができます。母集団から取り出したこのサブセットをサンプルといいます。
サンプルとは、推定を行うために収集して分析するより大きな母集団の人々、項目、または事象のサブセットです。母集団をよく表すには、サンプルをランダムに収集して十分に大きい必要があります。
サンプルがランダムで十分な数があれば、そのサンプルから収集した情報を使用して母集団全体に関する推定を行うことができます。たとえば、ランダムサンプルの中で傷みのあるりんごの数を数え、仮説検定を使用して全体の中で傷みのあるりんごの割合を推定することができます。