共分散は、2変数間の線形関係を測定します。共分散は、2変数間の相関に似ていますが、次の点で相関とは異なります。
  • 相関係数は標準化されています。したがって、完全な線形関係の場合、係数は1になります。相関は、2変数間の線形関係の強度と方向の両方を測定します。
  • 共分散値は標準化されていません。そのため、共分散の範囲は負の無限大から正の無限大になります。したがって、完全な線形関係の値はデータによって異なります。データが標準化されていないため、変数間の関係の強度を判断するのは難しくなっています。

共分散を使用すると、変数間の関係の方向を理解できます。正の共分散値は、1つの変数の平均値より大きい値が、もう1つの変数の平均値より大きい値に関連し、平均値より小さい値についても同様の関連性があることを示します。負の共分散値は、1つの変数の平均値より大きい値が、もう1つの変数の平均値より小さい値に関連することを示します。

相関係数は共分散の関数です。相関係数は、変数の標準偏差から導出した値で共分散を割った値になります。そのため、正の共分散からは必ず正の相関が得られ、負の共分散からは必ず負の相関が得られます。