帰無仮説と対立仮説について

帰無仮説と対立仮説は、母集団に関して互いに排他的な2つのステートメントです。仮説検定では、サンプルデータを使用して帰無仮説を棄却するかどうかを判断します。

帰無仮説(H0
帰無仮説では、母数(平均、標準偏差など)は仮説値と等しいと仮定します。帰無仮説は多くの場合、以前の分析または専門知識に基づいた初期の主張となります。
対立仮説(H1
対立仮説では、母数は帰無仮説の仮説値より小さい、大きい、または異なると仮定します。対立仮説とは、真であると確信できる、または真であることの証明が期待できる仮説を指します。

片側と両側の仮説

対立仮説は、片側または両側にできます。
両側
両側対立仮説(非方向性仮説とも呼ばれる)を使用して、母数が仮説値より大きい、または小さいかどうかを判断します。両側検定では、母数がどちらの方向でも異なることを検出できますが、片側検定よりも検出力が低くなります。
片側
片側対立仮説(方向性仮説とも呼ばれる)を使用して、母数が特定の方向で仮説値と異なるかどうかを判断します。仮説値より大きいか小さいかの方向を指定できます。片側検定では両側検定よりも検出力が高くなりますが、母数が反対方向で異なるかどうかを検出することはできません。

両側仮説と片側仮説の例

両側
ある研究者は、ある高校で全国試験を受験した学生のサンプルに関する結果を持っています。研究者は、その学校の学生の得点が全国平均の850点と異なるかどうかを調べようとしています。得点が全国平均より高いか低いかを判断したいので、この場合は両側対立仮説(非方向性仮説とも呼ばれる)が適切です。(H0: μ = 850とH1: μ≠ 850)
片側
ある研究者は、全国試験のためのトレーニングコースを受講した学生のサンプルに関する試験結果を持っています。研究者は、トレーニングコースを受講した学生の得点が、全国平均の850点より高いかどうかを知りたいとします。研究者は、コースを受講した学生の得点が全国平均より高いと仮定しているため、この場合は片側対立仮説(方向性仮説とも呼ばれる)を使います。(H0: μ = 850とH1: μ > 850)