応答の最適化機能の主要な結果を解釈する

応答の最適化機能を解釈するには、次の手順を実行します。主要な結果には、最適化プロット、適合値、信頼区間が含まれます。

ステップ1:予測変数ごとの最適な設定を特定する

最適化プロットを使用して、指定したパラメータを条件とする予測変数の最適な設定を決定します。最適化プロットをダブルクリックして対話モードに変更し、どの程度変数が予測応答に影響を与えるかを調べます。赤い垂直バーを移動することで、プロットの変数設定を直接変更できます。

最適化プロットには予測変数設定の適合値が表示されます。ただし、予測区間は出力で分析して、将来の値が1つ含まれる可能性がある値の範囲が、プロセスの許容範囲内に入っているかどうかを判断する必要があります。

主要な結果:最適化プロット

断熱データでは、複合的な望ましさが0.7750になります。グラフの最初の列は、カテゴリ変数である材料の各水準における応答値を示します。現在の変数設定は、材料 = 製法2、射出圧力 = 98.4848、射出温度 = 100.0、冷却温度 = 45.0です。到達点は、断熱度の最大化です。その予測値は25.607547、個別望特性は0.85386です。共変量の応答測定時の温度は、制御不可能な騒音の変数としてモデルに含まれ、21.49で固定されます。その他の観測値は以下になります。
  • 材料:この列の各セルにあたる2つの点は、カテゴリ変数の2つの水準、製法1と製法2を表しています。ここでは、製法2が最適材料であるように見えます。製法1に変更すると断熱度が下がり密度が上がってしまい、これはどちらも好ましくない変化です。ただし、材料は他の因子と交互作用があるため、この傾向は他の設定では見られないかもしれません。製法1の局所解が求められるかを検討してください。または、垂直バーを移動することで、グラフの製法1の設定値を直接変更することもできます。
  • 射出圧力:射出圧力を増やすと3つの応答がすべて増加します。したがって、最適設定は因子水準範囲の中間にし(98.4848)、拮抗し合う各目的に対する妥協案とします。目標は、断熱度を最大化し、密度を最小化し、強度を最大にすることです。
  • 射出温度:射出温度を上げると、応答がすべて増加します。しかし、密度に対する効果は、断熱度に対する効果に比べてごくわずかです。このため、複合的な望ましさは射出温度を最大化することにより高めることができます。射出温度の最適設定は、実験での最大水準であることがわかります。この結果から、より高い温度で実験を行うべきであるということが示されます。
  • 冷却温度:冷却温度を上げると断熱度は増加しますが、密度と強度は減少します。射出温度と冷却温度の最適設定は、どちらも実験での最大水準になります。この結果から、より高い温度で実験を行うべきであるということが示されます。グラフからは、特に冷却温度を上げることは検討する価値があることがわかります。グラフの外挿が可能であれば、より高い冷却温度で断熱度と密度が改善される可能性もあります。ただし、強度は下がります。

ステップ2:点推定および応答ごとの可能性のある範囲を特定する

適合値を使用して、最適化プロットの設定に対する各応答変数の点推定を特定します。

予測区間(PI)は、変数設定の指定された組み合わせの1つの将来の応答値が含まれる可能性のある範囲です。同じ設定で別のデータ点を収集した場合、その新しいデータ点は予測区間に入っている可能性が高いといえます。予測区間が狭いほど、その予測の精度が高いことを示しています。

予測区間から、結果の実質的な有意性を評価できます。予測区間が許容範囲を超える場合は、予測は要求に対して十分に正確ではない可能性があります。この場合、以下のオプションを考慮します。
  • 十分な精度となる最適化プロットの設定を探します。
  • 追加の研究を実行し、より正確な予測を取得するためにサンプルサイズを増加することを検討します。
最適化プロットに適した設定を探すには、以下の手順を実行します。
  1. 最適化プロットをダブルクリックして対話モードに変更します。
  2. 赤い垂直バーを動かし、予測変数設定を最適化プロット上で直接調整します。
  3. ツールバー上の予測するボタンをクリックし、新しい予測区間を作成して、新しい解が許容範囲かどうかを判断します。

複数応答予測

変数設定
材料製法2
射出圧力98.4848
射出温度100
冷却温度45
測定温度21.4875
応答適合値適合値の標準誤差95%信頼区間95%予測区間
強度32.341.04(29.45, 35.22)(27.25, 37.43)
密度0.68260.0597(0.5167, 0.8484)(0.3899, 0.9753)
断熱性25.6080.268(24.863, 26.352)(24.294, 26.921)
主要な結果:適合値、予測区間(PI)

これらの結果では、最適化プロットの入力変数設定は次の予測平均および予測区間と関連づけられます。
  • 平均強度は32.34であり、1つの将来値になる可能性がある値の範囲は27.25~37.43です。
  • 平均密度は0.6826であり、1つの将来値になる可能性がある値の範囲は0.3899~0.9753です。
  • 平均断熱性は25.608であり、1つの将来値になる可能性がある値の範囲は24.294~26.921です。

プロセスに関する専門知識を使用して、予測区間が許容可能な境界内に収まるかどうかを判断します。