トレンド分析の主要な結果を解釈する

トレンド分析を解釈するには、次の手順を実行します。主要な出力には、適合されたトレンド式、精度の測度、および予測値などがあります。

ステップ1: モデルがデータに適合するかどうか判断する

トレンド分析プロットを調べて、モデルがデータに適合するかどうかを判断します。適合が実際のデータに密接に従う場合、モデルはデータに適合します。データ点が適合線の周囲にランダムにプロットされるのが理想的です。
  • モデルがデータに適合する場合は、二重指数平滑化を実行し、2つのモデルを比較できます。
  • モデルがデータに適合しない場合、もう一度分析を実行して別のタイプのモデルを選択します。線形モデルを当てはめてデータの曲面性を確認するには、2次モデル、指数モデル、またはS曲線モデルを選択します。どのモデルもデータに適合しない場合は、別の時系列分析を使用します。詳細は、使用する時系列分析を参照してください。

このトレンド分析プロットでは適合値がデータに密接に従っており、これは、そのモデルがデータに適合することを示しています。

ステップ2: モデルの適合を他のモデルと比較する

精度の測度(MAPE、MAD、およびMSD)を使用して、モデルの適合度を他の時系列モデルと比較します。これらの統計量は、それ自体ではそれほど参考になりませんが、別の方法を使用して得られた適合度を比較する目的で使用できます。それら3つの統計量すべてにおいて、通常は値が小さいほど適合性が高いモデルであることを示します。単一のモデルに3つすべての統計量の最小値が含まれていない場合は、通常、MAPEが優先される測定方法となります。

この精度の測度は、データの終わりからの1期間を予測する場合に期待される精度を示しています。したがって、1期間より先の期間の予測の精度を示すものではありません。予測でモデルを使用する場合は、精度の測度のみに基づいて決定しないでください。モデルの適合度も調べ、特に系列の終わりにその予測とモデルがデータに密接に従うことを確認する必要があります。

モデル1

精度の測度

MAPE7.265
MAD16.621
MSD518.119

モデル2

精度の測度

MAPE2.474
MAD9.462
MSD135.701

主要な結果: MAPE、MAD、MSD

これらの結果において、2番目のモデルのほうが1番目のモデルと比較して3つすべての数値が小さくなっています。したがって、2番目のモデルのほうが適合性が高いと言えます。

ステップ3: 予測値が正確かどうか判断する

トレンド分析プロットの終わりと予測値を調べて、予測値が正確である可能性が高いかどうかを判断します。適合値はデータに密接に従うべきであり、特に系列の終わりではそうである必要があります。適合値が系列の終わりでデータから乖離を始める場合、基本となるトレンドは変化している可能性があります。トレンドが変化している場合、モデルには正確な予測値が生成されない可能性があります。この場合、期間が長いトレンドほど一定ではないかどうかを判断するために収集するデータを増やします。

予測が正確なものに見える場合でも、3期間よりも先の将来の予測は慎重に行ってください。短い期間のデータで観測されたトレンドは、長いサイクルの一部にすぎないので、将来まで持続しない可能性があります。トレンドの変動が大きくなることがあるため、通常は、2~3期間先までの範囲についてのみ予測してください。

このトレンド分析プロットでは、特に系列の終わりに、適合値がデータに密接に従っています。向こう3か月の予想の精度が高いと結論付けることができます。