モデル選択テーブルの定義と解釈について解説します。

モデル選択テーブルには、推定可能なパラメーターを持つ検索内のすべての候補モデルの行が含まれています。この表は、最適なモデルが最初の行にあるように、適合度を下げてモデルを順序付けます。

モデル

モデル列のヘッダーには、表内のすべてのモデルの差分の季節順序と非季節順序が表示されます。
d
非季節差分の順序は、現在のデータ値から前のデータ値を減算した回数を示します。
D
季節差分の順序は、現在のデータ値から前のシーズンの値を減算した回数を示します。
行には、モデルの自己回帰項と移動平均項の順序が表示されます。
p
非季節性自己回帰項の順序は、現在の値に影響を与える以前の値 (ラグ) の数です。
q
非季節移動平均項の順序は、現在の値に影響を与える以前の誤差項 (予測誤差のラグ) の数です。
P
季節的自己回帰項の順序は、現在の季節と有意に相関する前シーズンからのラグの数です。
Q
季節移動平均項の順序は、現在の値に影響を与える前シーズンの以前の誤差項(予測エラーのラグ)の数です。

対数尤度

分析では、情報基準の計算でモデルの対数尤度が使用されます。

解釈

通常、モデルに項を追加すると対数尤度が減少できないため、情報基準を使用してモデルを比較します。たとえば、5つの項を持つモデルの対数尤度は、同じ項で作成可能な4項モデルよりも高いです。したがって、対数尤度は、同じサイズのモデルを比較するときに最も役立ちます。項数が同じモデルの場合、対数尤度が高いほど、モデルがデータに適合しやすくなります。

AIC、AICc、BIC

赤池情報量基準(AIC)、補正赤池情報量基準(AICc)、ベイズ情報量規準(BIC)は、モデルの適合度と含まれる項の数を説明する、モデルの相対的な質を測る測度です。

解釈

異なるモデルを比較する際はAIC、AICc、BICを使用します。小さい値が好ましいと考えられます。ただし、項のセットの値が最も小さいモデルは、必ずしもデータにうまく適合するとは限りません。また、検定とプロットを使用して、モデルがデータにどの程度適合するかを評価します。
AICcとAIC
サンプルサイズがモデル内のパラメータよりも小さい場合、AICcの性能はAICよりも良くなります。サンプルサイズがかなり小さいとき、パラメーター数が多すぎるモデルではAICは小さくなる傾向があるので、AICcの性能の方が良くなります。サンプルサイズがモデルのパラメータ数に対して十分な大きさがある場合は、通常、どちらの統計量でも同じ結果が得られます。
AICcとBIC
AICcとBICは両方とも、モデルの尤度を評価し、モデルに項を追加したときにペナルティを適用します。このペナルティにより、モデルがサンプルデータに過剰適合する傾向を減少させます。こうした減少により、通常のモデルのパフォーマンスを改善できます。
一般的なガイドラインとして、パラメーター数がサンプルサイズよりも少ない場合、BICにおける各パラメーターの追加に対するペナルティはAICcよりも大きくなります。これらのケースでは、BICを最小化するモデルは、AICcを最小化するモデルよりも小さくなる傾向があります。