信頼性データをモデル化するための正規分布の使用

産業分野では、正規分布データが生成されることがよくあります。しかし、他の分布に比べて、信頼性データをモデル化するために正規分布を使用することは一般的ではありません。その理由の1つは左裾が負の無限大まで広がっているために負の故障時間が正しくモデル化されないことです。多くの信頼性データは指数、ワイブル、ガンマ、対数正規など、正のランダム変数の分布を使用してモデル化されます。したがって、製品寿命のモデルとして正規分布を使用する応用分野はまれです。ただし、データの平均が0より大きく、変動が比較的低い場合、正規分布は特定タイプの寿命データのモデル化に役立ちます。正規分布は、ワイブル分布の3 < β < 4の場合に近似しています。

正規分布は、故障のリスクが常に増加し続ける消耗品の寿命をモデル化するのに使用できる場合があります。故障データが正規分布に従う製品の例として、白熱電球やトースターの発熱体などの電気フィラメント装置が挙げられます。別の例としては、集積回路のワイヤボンド強度があります。

例1: 飲料の保存期間

飲料の保存期間を評価するために、分析者がボトル入りの飲み物が変色するまでの日数を記録します。

例2: トースターの信頼性

エンジニアが、新しい部品を使用したトースターの寿命試験を実施します。

正規分布の確率密度関数とハザード関数

確率密度関数

正規分布の確率密度関数は対称でつりがね型です。

ハザード関数

正規分布のハザード関数は、故障リスクが狭義に増加していることを示しています。