平均累積関数(MCF)プロットには、時間と平均累積関数の関係が表示されます。このプロットを使用して、システムが向上しているか、劣化しているか、または一定であるかを判断します。
プロットは次の要素で構成されます。
- 経験平均累積関数のNelson-Aalen法で計算されたプロット点。このプロット点は特定のモデルを想定しません。区間データの場合は、各区間での発生数を均等に分布し、適切な点をプロットすることで故障数が推定されます。
- 分布の推定された形状と尺度に基づいた平均累積関数。べき法則工程の場合、システムの故障率は増加、減少、または一定を示します。それに応じて、結果のグラフは直線か、山型または谷型の曲線になります。斉次ポアソン工程の場合は、故障率は一定で、グラフは直線になります。
分布モデルの適合度を評価するには、プロットされた点が直線や曲線にどの程度緊密に従っているかを調べます。点が緊密に従っている場合、その分布はうまく適合しています。
このMCFプロットは、システム故障のパターンに関する情報も示します。
- 直線は、システム故障の推移が一定であること、つまりシステムが安定していることを示します。
- 谷型曲線は、故障の発生間隔が徐々に長くなっていること、つまりシステムの信頼性が向上していることを示します。
- 山型曲線は、故障の発生間隔が徐々に短くなっていること、つまりシステムの信頼性が低下していることを示します。
最初の故障時間にX尺度の最小値を設定すると、故障率をよりわかりやすく表示できます。
注
Nelson-Aalenプロットはモデルに依存しないので、選択する推定法とモデルタイプにかかわらず、プロット点は同じです。しかし、平均累積関数プロットは、モデルに依存するため、差が発生します。
解釈
空調データの場合、平均累積関数の推定値はほぼ直線で、システム故障率が比較的一定であることを示しています。