パラメトリック分布分析(右打ち切り)のパラメータの同等性

尺度パラメータと位置パラメータの同等性検定

2つ以上のデータセットが同じ分布(母集団)のものであるかどうかを検定できます。データセットが同じ分布からのものである場合、等しいパラメータを持っているはずです。

同時カイ二乗検定では、2つのデータセットの分布パラメータが互いに有意に異なるかどうかを判断します。p値を事前に指定したα値と比較します。
  • p値がα値より小さい場合、データセットの分布パラメータの少なくとも1つが、有意に異なっていると結論付けることができます。
  • p値がα値より大きい場合、データセットの分布パラメータが有意に異なっていないと結論付けることができます。

データセットが異なる分布からなる(p値がα値より小さい)場合、個々の検定の結果の形状(または位置)および尺度パラメータの同等性を調べます。検定ごとの結果を使用して、分布間の差が尺度パラメータ(ワイブル分布の形状)、位置パラメータ(ワイブル分布の尺度)、あるいはその両方によるものなのかを判断できます。

出力例

位置パラメータと尺度パラメータの同等性検定

カイ二乗自由度p値
18.646820.000

解釈

エンジン巻揚部品データの場合、80°Cと100°Cでの故障時間が同じ分布からのものであるかを検定します。

同時検定のp値の0.000がα値の0.05よりも小さいため、80°Cでの分布パラメータの少なくとも1つが、100°Cでの分布パラメータと有意に異なっていると結論付けることができます。したがって、この2つのデータセットは、同じ分布からのものではありません。

尺度パラメータの同等性検定

尺度パラメータと位置パラメータの同等性同時検定によって統計的に有意な差が示される場合、尺度パラメータの同等性検定を使用すると、分布間の差が尺度パラメータ内で発生するかどうかを判断できます。

カイ二乗検定では、データセットの尺度パラメータが互いに有意に異なるかどうかを判断します。p値を事前に指定したα値と比較します。位置および尺度など1つの分布から1つ以上のパラメータを検定する場合、α値を調整して複数の検定を考慮します。この例では、2つのパラメータを検定するため、各検定のα値は0.05/2=0.025となります。
  • p値がα値より小さい場合、データセットの尺度パラメータが有意に異なっていると結論付けることができます。有意な差がある場合、そのパラメータのボンフェローニ信頼区間を調べて、その分布間のパラメータの差の大きさを特定します。
  • p値がα値より大きい場合、データセットの尺度パラメータが有意に異なっていないと結論付けることができます。

出力例

尺度パラメータの同等性検定

カイ二乗自由度p値
5.2959910.021

解釈

エンジン巻揚部品データの場合、80°Cでの故障時間に、100°Cでの故障時間と同じ尺度パラメータが含まれているかどうかを検定します。

p値の0.021はα値の0.025よりも小さいため、80°Cおよび100°Cでの故障時間の分布の尺度パラメータは、有意に異なっていると結論付けることができます。尺度パラメータのボンフェローニ信頼区間を調べて、2つの分布間の尺度パラメータの差の大きさを特定します。

位置パラメータの同等性検定

尺度パラメータと位置パラメータの同等性同時検定によって統計的に有意な差が示される場合、位置パラメータの同等性検定を使用すると、分布間の差が位置パラメータ内で発生するかどうかを判断できます。

カイ二乗検定では、2つのデータセットの位置パラメータが互いに有意に異なるかどうかを判断します。p値を事前に指定したα値と比較します。位置および尺度など1つの分布から1つ以上のパラメータを検定する場合、α値を調整して複数の検定を考慮します。この例では、2つのパラメータを検定するため、各検定のα値は0.05/2=0.025となります。
  • p値がα値より小さい場合、データセットの位置パラメータが有意に異なっていると結論付けることができます。有意な差がある場合、そのパラメータのボンフェローニ信頼区間を調べて、分布間のパラメータの差の大きさを特定します。
  • p値がα値より大きい場合、データセットの位置パラメータが有意に異なっていないと結論付けることができます。

出力例

位置パラメータの同等性検定

カイ二乗自由度p値
11.298810.001

解釈

エンジン巻揚部品データの場合、80°Cでの故障時間に、100°Cの故障時間と同じ位置パラメータが含まれているかを検定します。

p値の0.001はα値の0.025よりも小さいため、80°Cと100°Cの故障時間の分布の位置パラメータは、有意に異なっていると結論付けることができます。位置パラメータのボンフェローニ信頼区間を調べて、2つの分布間の位置パラメータの差の大きさを特定します。

形状パラメータや尺度パラメータのボンフェローニ信頼区間

尺度パラメータや形状パラメータの同等性検定で、統計的に有意な差が示される場合、ボンフェローニ信頼区間を調べて、差の大きさを特定します。

複数のサンプルの区間を比較して、異なるパラメータを確認することもできます。2つのパラメータの比の信頼区間に1が含まれる場合、2つのパラメータが異なると結論付けることはできません。

出力例

Bonferroni95.0% (個別97.50%)  同時信頼区間

尺度パラメータ (温度80) を次で割る:
変数下限推定上限
温度1001.0111.5032.236

解釈

エンジン巻揚部品データの場合、温度100の尺度パラメータになる可能性のある値の範囲は、温度80の尺度パラメータの値の範囲より1.011~2.236倍大きく、1.503の比率が推定されます。

位置パラメータのボンフェローニ信頼区間

位置パラメータの同等性検定で、統計的に有意な差が示される場合、ボンフェローニ信頼区間を調べて、差の大きさを特定します。

複数のサンプルの区間を比較して異なるパラメータを確認することもできます。2つのパラメータの比の信頼区間に1が含まれる場合、2つのパラメータが異なると結論付けることはできません。

出力例

Bonferroni95.0% (個別97.50%)  同時信頼区間

位置パラメータ (温度80) を次から引く:
変数下限推定上限
温度100-0.7734-0.4640-0.1546

解釈

エンジン巻揚部品データの場合、温度80の位置パラメータになる可能性のある値の範囲は0.1546~0.7734で、温度100の位置パラメータより大きく、0.4640の差が推定されます。