係数の標準誤差とは

推定値の標準偏差は、標準誤差と呼ばれます。係数の標準誤差は、モデルが係数の未知の値を推定する精度を測定するものです。係数の標準誤差は、常に正の値です。

係数の標準誤差は、係数の推定値の精度を測定するために使用します。標準誤差が小さいほど、推定値の精度が高くなります。係数を標準誤差で割ったものがt値です。このt統計量に関連付けられたp値がα水準未満の場合、係数は0とは有意に異なると結論付けます。

たとえば、家具製造工場の材料技師は、自社が使用するパーティクルボードの強度を評価したいと考えています。技師は、異なる温度でさまざまな密度を取るパーティクルボード片から剛性データを収集し、次の線形回帰出力を作成します。係数の標準誤差は3列目に示されています。

回帰分析: 密度対剛性, 温度

係数 項 係数 係数の標準誤差 t値 p値 VIF 定数 20.1 12.2 1.65 0.111 剛性 0.2385 0.0197 12.13 0.000 1.00 温度 -0.184 0.178 -1.03 0.311 1.00

剛性係数の標準誤差は温度の標準誤差よりも小さいです。したがって、このモデルは剛性をより高い精度で推定することができます。実際、温度の標準誤差は係数自体の値とほぼ同じなので、-1.03というt値は、統計的な優位性を宣言するには小さすぎます。結果のp値は一般のα水準よりもかなり大きいため、この係数がゼロと異なると結論付けることはできません。回帰モデルから温度を削除し、分析を続行します。

推定回帰係数のすべての標準誤差が同じ理由

計画行列が直交の場合、各推定回帰係数の標準誤差は同じになり、MSE/n(MSEは平均平方誤差、nは観測値の数)の平方根と等しくなります。