デフォルトで、Minitabでは回帰に(1,0)コード化方式を使用しますが、コード化サブダイアログボックスで(-1,0,+1)コード化方式を使用するように変更できます。詳細はカテゴリ予測変数のコード化方式を参照してください。
まず、1つの因子を持ち、この因子に対して3つの水準を持つバランス型の計画を検討してみましょう。
C1 | C2 - T |
---|---|
応答 | 因子 |
1 | A |
3 | A |
2 | A |
2 | A |
4 | B |
6 | B |
3 | B |
5 | B |
8 | C |
9 | C |
7 | C |
10 | C |
平均に着目して記述統計量を調べます。
推定回帰式は次のようになります。
水準Cはベースラインなので、0の係数を持ちます。因子が1つだけの場合、切片はベースライン水準の平均と等しくなります。
水準Aに対応する係数は–6.5です。これは、水準Aはベースライン水準に基づいているという違いです。Aの係数を取り出して、切片(またはベースラインの平均)を追加する場合、水準Aの平均–6.5+8.5=2.0が得られます。
同様に、水準Bに対応する係数は–4.0です。これは水準Bとベースライン水準の差です。水準Bの係数を取り出して切片を追加する場合、水準Bの平均–4.0+8.5=4.5が得られます。
回帰式は次の通りです。
切片が全体の平均です。
Aの係数は因子水準Aの効果です。これは、水準Aの平均と全体平均の差です。
Bの係数は因子水準Bの効果です。これは、水準Bの平均と全体平均の差です。
すべての係数(切片を除く)を足して、負の1:-1*[(-3.0)+(-0.5)]= 3.5を掛け合わせることで水準Cの効果の規模を取得できます。
ここからは、2つの因子を持ち、最初の因子に対して3つの水準、2番めの因子に対して2つの水準を持つバランス型の計画を検討してみましょう。
C1 | C2 - T | C3 - T |
---|---|---|
応答 | 因子1 | 因子2 |
1 | A | 高 |
3 | A | 低 |
2 | A | 高 |
2 | A | 低 |
4 | B | 高 |
6 | B | 低 |
3 | B | 高 |
5 | B | 低 |
8 | C | 高 |
9 | C | 低 |
7 | C | 高 |
10 | C | 低 |
平均に着目して記述統計量を調べます。
推定回帰式は次のようになります。
また、水準Aに対応する係数は–6.5です。これは依然として水準Aとベースライン水準(水準C)の距離です。水準Aの平均を計算して、ベースライン水準の平均を引く場合、係数2–8.5=-6.5が得られます。
同様に、水準Bに対応する係数はやはり–4.0です。これは水準Bと因子1のベースライン水準の距離です。水準Bの平均を計算して、ベースライン水準の平均を引く場合、係数4.5–8.5=-4.0が得られます。
最終的に、因子2の高い水準に対応する係数は「高」と因子2(低)のベースライン水準の距離になります。このため、因子2の高い水準の平均を計算して、因子2のベースライン水準の平均を引く場合、係数4.1667–5.8333=-1.667が得られます。
このコード化方式を使用すると、係数は1つの因子モデルからは変化しませんのでご注意ください。2番目の因子に係数が追加されています。
回帰式は次の通りです。
2つの水準のみがあり、サンプルのサイズに等しい場合、平均が真ん中にあるので、水準の効果の大きさは等しくなります。
切片が全体の平均です。
係数は因子水準ごとの効果です。係数は、水準の平均と全体平均の差を表します。