固定バッチの安定性分析の方法

使用する方法を選択します。

ボックスーコックス変換

ボックスーコックス変換では、以下に示す通り、二乗値の残差合計を最小化するλ値が選択されます。出力される変換は、λ ≠ 0の場合にYλ、およびλ = 0の場合にln(Y)です。λ < 0の場合に、変換済み応答に−1を掛けて、変換されていない応答の順序を維持します。

−2~2の範囲で最適値が検索されます。値がこの区間外になった場合、適合性が低下することがあります。

以下は一般的な変換方法です(Y′はデータYの変換データ)。

ラムダ(λ)値 変換
λ = 2 Y′ = Y 2
λ = 0.5 Y′ =
λ = 0 Y′ = ln(Y )
λ = −0.5
λ = −1 Y′ = −1 / Y

固定バッチのモデル選択

モデル選択は、保存期間がバッチによって変わるかどうか、時間の効果がバッチによって変わるかどうかを判断します。以下の3つのモデルが順番に検討されます。
  1. 時間 + バッチ + バッチ*時間(バッチごとに傾きと切片が異なる)
  2. 時間 + バッチ(傾きが等しく、切片がバッチごとに異なる)
  3. 時間(バッチ全体で傾きと切片が等しい)

バッチ*時間の交互作用が有意な場合、分析は最初のモデルに適合します。この交互作用が有意ではないものの、2番目のモデルでバッチの項が有意な場合、分析は2番目のモデルに適合します。そうでない場合は、分析は3番目のモデルに適合します。

検定統計量は以下になります。
モデル選択では、F分布を使用して、因子を検定します。F分布のパラメータは以下になります。
  • 分子の自由度 = 項の自由度
  • 分母の自由度 = 誤差の自由度
p値は、検定統計量よりも大きいF分布の比率です。

表記

用語説明
MS平均平方
MSE誤差の平均平方
F(x)xにおいて評価される所定のF分布の累積分布関数

参考文献

1. Chow, S.(2007)、Statistical Design and Analysis of Stability Studies

2. アメリカ合衆国保健福祉省食品医薬品局(2004)、Guidance for Industry, Q1E Evaluation of Stability Data