2値適合線プロットのグラフ

グラフの定義と解釈について解説します。

2値適合線プロット

適合線プロットには応答変数と予測変数データが表示されます。プロットには回帰式を示す回帰線が含まれます。また、適合値の信頼区間を表示するかどうかを選択することもできます。

解釈

適合線プロットを使用して、応答変数と予測変数の関係を調べることができます。

これらの結果では、式は成功確率を表しています。y軸の応答値1は成功を表します。プロットは、温度が上がると成功確率が下がることを示しています。データの温度が50に近いところでは線の傾斜はあまり大きくなく、成功確率は温度の上昇に伴い少しずつ下がることが分かります。中心部の線の傾斜はかなり大きく、この範囲では温度が1度変わるごとに結果が大きく影響されることが分かります。最高温度付近で成功確率が0に近づくと、線はまた水平になります。

モデルがデータにうまく適合すれば、高い予測確率値によって事象がどこで起こりやすいのかが示されます。データの温度が50に近いところでは、応答変数は1が最も多く、温度の上昇に伴い、応答変数は0が多くなります。

信頼区間をプロットに追加する場合、信頼区間を使用して、適合値の推定の精度を評価できます。以下の最初のプロットでは、信頼区間の線の幅は、予測変数が増加するほど近似します。2番目のプロットでは、信頼区間の幅は、予測変数の値が上昇するにつれて広くなります。区間が広がるのは、1つには、温度が高いときにデータ量が少なくなるためです。

残差のヒストグラム

逸脱残差のヒストグラムは、すべての観測値について残差の分布を示します。

解釈

残差のヒストグラムを使用して、データが歪んでいるかどうか、またはデータに外れ値があるかどうかを判断します。以下の表にあるパターンは、このモデルが、モデルの仮説を満たさないことを示している可能性があります。モデルが仮定を満たさない場合、予測の正規近似信頼区間が不正確である可能性があります。
パターン パターンが示す意味
1つの方向に伸びている 歪度
1本のバーが他のバーから離れている 外れ値

ヒストグラムの外観は、データをグループ化するために使用されている区間の数に依存するので、残差の正規性を評価するときにヒストグラムは使用しません。その代わり、正規確率プロットを使用します。

残差の正規確率プロット

残差の正規確率プロットには、分布が正規分布する場合の残差と期待値の関係が表示されます。

解釈

残差の正規確率プロットを使用して、残差が正規分布に従うという仮定を検証します。残差の正規確率プロットは、ほぼ直線になります。

次のパターンは、残差が正規分布に従うという仮定に違反しています。

S曲線は、長い裾を持つ分布を示唆しています。

逆S曲線は、短い裾を持つ分布を示唆しています。

下向きの曲線は、右方向の歪みを示唆しています。

直線から離れている少数の点は、外れ値のある分布を示唆しています。

非正規パターンを閲覧する場合、他の残差プロットを使用して、項の欠落や時間順序効果などのモデルの他の問題がないかをチェックします。残差が正規分布に基づかない場合、通常の近似信頼区間とワルド検定が不正確である可能性があります。

残差対適合値

残差対適合値グラフでは、y軸に残差が、x軸に適合値がプロットされます。このプロットはデータのフォーマットが事象/試行の場合に意味があります。データのフォーマットが2値応答/度数の場合はこのプロットは作成されません。

解釈

残差対適合値プロットを使用して、残差はランダムに分布するという仮定を検証します。点に特徴的なパターンがなく、0の両側にランダムにくるのが理想的です。

以下の表にあるパターンは、このモデルが、モデルの仮説を満たさないことを示している可能性があります。
パターン パターンが示す意味
残差が適合値周辺に扇状または不均等に分散している 不適切なリンク関数
曲線 高次の項の欠損または不適切なリンク関数
ゼロから遠い点 外れ値
ある点が他の点からX軸方向に遠く離れている 影響力のある点
次のグラフは外れ値や、残差の分散が均一であるという仮定に反する項目を表示します。
外れ値のあるプロット

ある点が他の点に比べて大きいため、この点は外れ値となります。外れ値が多すぎる場合は、モデルが適切ではない可能性があります。外れ値の原因を識別する必要があります。データ入力や測定の誤差はすべて修正します。異常な1回だけの事象(特殊原因)に関連付けられたデータ値を除外することを検討してください。それから、分析を繰り返します。

不均一分散のプロット

残差の分散が適合値の増加とともに増加しています。適合値が大きくなるにつれ、残差間でばらつきが大きくなっていることに注意してください。このパターンは、残差の分散が等しくない(不均一である)ことを示しています。

残差対適合値プロットにパターンや外れ値がある場合は以下の解決策を検討してください。
課題 可能性のある解決方法
不均一分散 別のモデル項、リンク関数または重みを使うことを検討します。
外れ値または影響力のある点
  1. 観測値が測定の誤りまたはデータ入力の誤りではないことを確認します。
  2. この観測値なしで分析を実行し、結果に与える影響の調査を行います。

残差対データ順序

残差対データ順序プロットには、データの収集順に残差が表示されます。

解釈

残差対データ順序プロットを使用して、残差が互いから独立しているという仮定を検証します。独立している残差は、時間順で表示した場合にトレンドやパターンを示しません。点にパターンがある場合、互いに近い残差は相関している可能性があり、独立していないことを示しています。プロットの残差が中心線の周りにランダムに来るのが理想的です。
パターンがある場合は原因を調査します。パターンが次のタイプである場合、残差が従属している可能性を示しています。
トレンド
シフト
周期

残差対変数

残差対変数プロットには、別の変数に対する残差の値が表示されます。その変数は既にモデルに含まれているかもしれませんし、あるいは含まれていなくても応答に影響を与える可能性がある値です。

解釈

ランダムでない残差のパターンは、変数が応答に体系的に影響を及ぼしていることを示します。この変数を分析に含めることを検討してください。