相関行列はピアソン相関の値を示し、項目または変数のペア間の線形関係の度合いを測定します。相関値は-1~+1の範囲になります。ただし、実際には、項目は正の相関が通常はあります。2つの項目が互いに比例して増減する傾向がある場合、相関値は正の数になります。
相関行列を使用して、2つの項目や変数間の関係の強さと方向を評価します。正の相関値が高い場合、項目が測定する特性や特徴が同じであることを示しています。項目の相関が高くない場合、項目はそれぞれ異なる特徴を示すこともあれば、関係がはっきりしないこともあります。
多くの場合、相関値の変数が0.7より大きい場合は、高い相関があると見なされます。ただし、使用する適切な基準値も、対象エリアの基準と分析の項目数によって変わります。
項目1 | 項目2 | |
---|---|---|
項目2 | 0.903 | |
項目3 | 0.867 | 0.864 |
これらの結果では、全項目に相互に高い相関がみられます。アイテム1とアイテム2の線形相関は正数の0.903です。アイテム1とアイテム3の線形相関は正数の0.867で、アイテム2とアイテム3の相関係数は正数の0.864です。したがって、これらの項目は同じ特徴を示しているように見えます。
共分散行列は共分散の値を表示し、項目または変数のペアごとの線形関係を測定します。正の共分散値は、1つの変数の平均値より大きい値が、もう1つの変数の平均値より大きい値に関連し、平均値より小さい値がもう1つの変数の平均値より小さい値に関連していることを示します。負の共分散値は、1つの変数の平均値より大きい値が、もう1つの変数の平均値より小さい値に関連することを示します。
相関係数とは異なり、共分散は標準化されません。そのため、共分散値の範囲は負の無限大から正の無限大になり、解釈が難しいことがあります。項目または変数の各ペア間の線形関係の解釈をもっと簡単にするには、相関行列を使用します。
平均は、観測値の和を観測値の数で割った値です。Minitabでは、項目ごとの平均と全体平均を計算します。項目平均は、1つの項目のすべてのスコアの和を数で割った値です。全体平均は、すべての項目平均の和です。
項目平均を使用して、データの中心を表す1つの値を持つ項目または変数ごとのスコアを説明します。
変数 | 合計数 | 平均 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
項目1 | 50 | 3.1600 | 1.2675 |
項目2 | 50 | 2.8400 | 1.3607 |
項目3 | 50 | 2.9400 | 1.3463 |
合計 | 50 | 8.9400 | 3.8087 |
これらの結果では、項目1の平均スコアは最大(3.16)で、項目2の平均スコアは最小(2.84)です。合計平均は、すべての3つの項目の平均の和です。
標準偏差(StDev)とは、散布度、つまり平均周辺のデータの広がり方を表す測度です。Minitabでは、項目または変数ごとのスコアの標準偏差と標準偏差の合計を計算します。
項目の標準偏差を使用して、各項目の平均からのデータの拡散程度を判断します。
変数 | 合計数 | 平均 | 標準偏差 |
---|---|---|---|
項目1 | 50 | 3.1600 | 1.2675 |
項目2 | 50 | 2.8400 | 1.3607 |
項目3 | 50 | 2.9400 | 1.3463 |
合計 | 50 | 8.9400 | 3.8087 |
これらの結果では、項目2のスコアに最大の標準偏差(1.3607)があります。このことは、項目2のスコアのばらつきが、3つの項目の中でいちばん大きいことを示しています。項目1に最小の標準偏差(1.2675)があり、ばらつきはいちばん小さいことになります。全体の標準偏差は、すべての3つの項目の標準偏差の和です。
クロンバックのアルファは、サンプルの分散、全体スコア、項目数を使用して計算した内部整合性の測度です。
クロンバックのアルファを使用して、調査または検定における複数の項目が同じ特性または特徴をどの程度の整合性で評価するかを評価します。クロンバックのアルファ値が高いほど、内部整合性が高いことを示します。一般に使用される基準値は0.7です。一般に、クロンバックのアルファは0.7より大きい場合、調査項目または検定項目が同じ特性または特徴を測定する根拠を持ちます。クロンバックのアルファが0.7未満の場合、少なくともいくつかの項目が測定する特徴が同じだと結論付けようとしても、項目が測定する1つの特性または特徴は信頼性が高くない可能性があります。ただし、使用する適切な基準値も、対象エリアの基準と分析の項目数によって変わります。
α |
---|
0.9550 |
これらの結果では、全体のクロンバックのアルファは0.955です。この値は一般的な基準値0.7より大きく、この項目が同一の特徴の評価に適していることを表しています。
調整合計平均は、すべての項目の平均の和(削除された項目の平均を除く)です。
調整合計平均を使用して、分析から項目が削除されたときに合計平均の値がどのように変化するかを確認します。
外された変数 | 調整 合計平均 | 調整 合計標準偏差 | 項目-調整 合計相関 | 重相関の二乗 | Cronbach のアルファ |
---|---|---|---|---|---|
項目1 | 5.780 | 2.613 | 0.9166 | 0.8447 | 0.9268 |
項目2 | 6.100 | 2.525 | 0.9134 | 0.8413 | 0.9277 |
項目3 | 6.000 | 2.563 | 0.8870 | 0.7869 | 0.9476 |
これらの結果では、項目1が分析から削除されたときの調整合計平均は5.780です。つまり、項目2の平均スコアと項目3の平均スコアの合計は5.780です。
調整された全体標準偏差は、1項目を除外した後の全体スコアの標準偏差です。
調整合計標準偏差を使用して、分析から項目が削除されたときに標準偏差の合計値がどのように変化するかを確認します。
外された変数 | 調整 合計平均 | 調整 合計標準偏差 | 項目-調整 合計相関 | 重相関の二乗 | Cronbach のアルファ |
---|---|---|---|---|---|
項目1 | 5.780 | 2.613 | 0.9166 | 0.8447 | 0.9268 |
項目2 | 6.100 | 2.525 | 0.9134 | 0.8413 | 0.9277 |
項目3 | 6.000 | 2.563 | 0.8870 | 0.7869 | 0.9476 |
これらの結果では、項目1が分析から削除されたときの調整合計標準偏差は2.613です。
項目調整合計相関は、除外した項目のスコアとその他すべての項目の合計スコアとの相関です。項目調整合計相関の値は、理論上は-1~1の範囲となりますが、実際には、値の範囲は通常0~1になります。
項目調整合計相関を使用して、分析からある項目を除外することで内部整合性が改善するかどうかを評価します。項目調整相関の値が高い場合(1に近い場合)、削除項目が測定する特徴は他の項目と同じであることを示します。除外された項目の項目調整合計相関の値が低く、平方重相関の値が低く、クロンバックのアルファがかなり高い場合、アンケートまたは検定から項目を削除することを検討して、内部整合性を改善した方がいいかもしれません。
外された変数 | 調整 合計平均 | 調整 合計標準偏差 | 項目-調整 合計相関 | 重相関の二乗 | Cronbach のアルファ |
---|---|---|---|---|---|
項目1 | 5.780 | 2.613 | 0.9166 | 0.8447 | 0.9268 |
項目2 | 6.100 | 2.525 | 0.9134 | 0.8413 | 0.9277 |
項目3 | 6.000 | 2.563 | 0.8870 | 0.7869 | 0.9476 |
これらの結果では、項目1の項目調整合計相関は0.9166です。項目2の項目調整合計相関は0.9134です。項目3の項目調整合計相関は0.8870です。すべての項目の項目調整相関が一貫して高いので、すべての項目が測定する特徴は同じであることを示します。
平方重相関は、省略項目が残りの項目上で回帰処理される場合の決定係数(R2)です。値の範囲は0~1です。
平方重相関の値を使用して、分析からある項目を除外することで内部整合性が改善するかどうかを評価します。平方重相関の値が高い場合(1に近い場合)、省略項目が測定する特徴は他の項目と同じであることを示します。除外された項目の平方重相関の値が低く、項目ー調整合計相関の値が低く、クロンバックのアルファがかなり高い場合、アンケートまたは検定から項目を削除することを検討して、内部整合性を改善した方がいいかもしれません。
外された変数 | 調整 合計平均 | 調整 合計標準偏差 | 項目-調整 合計相関 | 重相関の二乗 | Cronbach のアルファ |
---|---|---|---|---|---|
項目1 | 5.780 | 2.613 | 0.9166 | 0.8447 | 0.9268 |
項目2 | 6.100 | 2.525 | 0.9134 | 0.8413 | 0.9277 |
項目3 | 6.000 | 2.563 | 0.8870 | 0.7869 | 0.9476 |
これらの結果では、項目1の平方重相関は0.8447です。項目2の平方重相関は0.8413です。項目3の平方重相関は0.7869です。すべての項目の平方重相関が一貫して高いので、すべての項目は同じ特徴を持つことを示します。
削除された項目のクロンバックのアルファは、項目を分析から削除した後に残っている項目のクロンバックのアルファの値です。クロンバックのアルファは、サンプルの分散、全体スコア、項目数を使用して計算した内部整合性の測度です。
削除された項目のクロンバックのアルファを使用して、1つの項目を分析から削除すると内部整合性が改善されるかどうかを評価します。削除された項目すべてのクロンバックのアルファの値の整合性がかなり高い場合、すべての項目で同じ特徴が測定されることを示します。削除された特定の項目のクロンバックのアルファがかなり大きい場合、測定される特徴は他の項目と同じではない可能性があることを示します。除外された項目の平方重相関の値が低く、項目調整合計相関の値が低く、クロンバックのアルファがかなり高い場合、アンケートまたは検定から項目を削除することを検討して、内部整合性を改善した方がいいかもしれません。
外された変数 | 調整 合計平均 | 調整 合計標準偏差 | 項目-調整 合計相関 | 重相関の二乗 | Cronbach のアルファ |
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項目1 | 5.780 | 2.613 | 0.9166 | 0.8447 | 0.9268 |
項目2 | 6.100 | 2.525 | 0.9134 | 0.8413 | 0.9277 |
項目3 | 6.000 | 2.563 | 0.8870 | 0.7869 | 0.9476 |
これらの結果では、項目1が削除されたときのクロンバックのアルファは0.9268です。項目2が削除されたときのクロンバックのアルファは0.9277です。項目3が削除されたときのクロンバックのアルファは0.9476です。削除された項目すべてのクロンバックのアルファが似ている場合、すべての項目で同じ特徴が測定されることを示します。
行列散布図は、散布図を並べたものです。行列の各散布図は、1組の項目のスコアをx軸とy軸にグラフ化します。
プロットを使用して、項目や変数のすべての組み合わせにおける関係を視覚的に評価します。