タグチ計画実験の実行手順

Minitabの使用を始める前に、内側直交表に制御因子、外側直交表に雑音因子を選択する必要があります。制御因子とは、工程を最適化するために制御できる因子です。雑音因子とは、システム性能に影響を与える可能性がある因子のうち、製品をその本来の目的のために使用している間は制御できないものを指します。

雑音因子は、工程または製品を用途に従って使用している間は制御できないのが普通ですが、実験目的のためには制御できることが条件になります。

制御因子と応答は、エンジニアリングの知識に基づいて選択するようにしてください。また、制御因子と応答は、交互作用が生じる可能性が低くなるようにスケール化する必要があります。制御因子の間に交互作用が生じる可能性が高いか、またははっきりしない場合は、交互作用を推定できる計画を選択するようにしてください。Minitabでは、分析対象の交互作用が相互に、または主効果と交絡しないようなタグチ実験を計画することができます。

外側直交表の雑音因子も慎重に選択しなければならないため、予備実験が必要になることがあります。選択する雑音水準は、応答変数が頑健な状態である条件範囲を表すものにする必要があります。

タグチ計画実験を実行するには、次のステップを実行します。

  1. 統計 > 実験計画法(DOE) > タグチ > タグチ計画を作成を選択して、タグチ計画(直交表)を生成します。直交表の各列は、2つ以上の水準を持つ特定の因子を表します。各行が1つの実行を表し、セルの値はその実行の因子設定を示します。デフォルトの直交表計画では、因子水準に1, 2, 3,という整数が使用されます。因子水準を入力したときは、整数1, 2, 3,は、計画のコード化された水準になります。 統計 > 実験計画法(DOE) > タグチ > カスタムタグチ計画の定義を使用して、ワークシートにあるデータをもとに計画を作成することもできます。カスタムタグチ計画を定義では、因子および信号因子の列を指定することができます。そのため、計画の分析とプロットの作成が簡単になります。
  2. 計画を作成した後、計画を表示または修正することができます。
    • 統計 > 実験計画法(DOE) > 計画の表示を選択し、Minitabのワークシート上に表示される因子の単位(コード化または非コード化)を変更します。
    • 統計 > 実験計画法(DOE) > 計画を修正を選択して、因子名の変更、因子水準の変更、静的計画への信号因子の追加、既存の信号因子の無視(計画を静的計画として処理)、既存の信号因子への水準の追加を実行できます。
  3. 実験を実行し、応答データを収集します。実験を実行する際は、制御因子設定の各組み合わせ(各実行)において雑音因子設定の完全な組み合わせを実行します。外側直交表にある雑音因子の各実行で得られた応答データは、通常、内側直交表にある制御因子のその実行の因子設定の隣に1行で配置されます。
  4. 統計 > 実験計画法(DOE) > タグチ > タグチ計画の分析を選択して実験データを分析します。

    タグチ計画を使用して各応答変数を個別に分析する必要があります。タグチ分析では複数の応答列を使用できますが、これらの応答は異なる雑音因子条件の下で測定した同じ変数である必要があります。

  5. 統計 > 実験計画法(DOE) > タグチ > タグチ計画の結果を予測するを選択して、選択した新しい因子設定でのSN比と応答特性を予測します。