タグチ計画において、システムまたは製品の性能の変動の原因となる、生産用または生産中に制御できない因子は雑音因子です。ただし、雑音因子は実験中に制御またはシミュレートすることができます。応答変数が頑健な状態となる条件範囲を表す雑音水準を選択する必要があります。
実験中は、変動を強制的に引き起こすために雑音因子を操作します。その実験結果から、工程または製品の耐性を強化するか、雑音因子による変動に強い最適な制御因子の設定を特定します。制御因子は、計画の内容や制御可能な工程パラメータとなります。
たとえば、あるプリンタのメーカーが、プリンタの性能を最適化したいとします。雑音因子の1つに異なる紙の種類があります。実験中は、紙の種類がプリンタの性能に与える影響を削減する制御因子を特定するため、数種類の紙を使いました。
雑音因子を調合するのは、極端な応答値が出ると予想される組み合わせに雑音因子の水準をグループ化する戦略です。個々の雑音因子の効果を推定するのが主な目的ではないため、調合は試験の量を減らすのに便利な方法です。たとえば、3つの雑音因子があり、各因子に2つの水準があった場合、試験では8種類の設定の組み合わせを考える必要があります。代わりに、応答値が増加する雑音因子水準を1つの設定、応答値が減少する雑音因子水準をもう1つの設定とすることで、雑音因子を全体で2つの設定にグループ化することができます。
信号因子は、使用中ユーザが制御する、設定の範囲内にある因子です。信号因子は、動的タグチ計画にありますが、性的タグチ計画にはありません。動的応答計画では、品質特性が特定範囲の値にわたって変化します。到達点は、信号因子と出力応答の関係を改善することです。静的応答計画では、対象となる品質特性の水準が固定されます。
たとえば、減速量はブレーキの性能の測度です。信号因子は、ブレーキのペダルを踏み込む量のことです。ドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、減速量が増します。ペダルの踏み込み量は、減速量に有意な効果を持ちます。ペダルの踏み込み量の最適設定は存在しないので、これを管理因子として試験するのは妥当ではありません。その代わりに、ブレーキペダルの踏み込み範囲にわたって最も効果的で最も変動の少ない減速量を実現するブレーキシステムを計画する必要があります。