直交性とは

2つのベクトルに対応する要素の積の合計が0の場合、これらのベクトルは直交しています。たとえば、次のベクトルabを検討します。

ベクトルの対応する要素をかけると、次の結果が得られます。

a*b = 2(–4) + 3(1) + 5(1) + 0(4) = –8 + 3 + 5 + 0 = 0

これにより、この2つのベクトルが直交していることが示されます。

直交の概念は独立性に関係しているため、実験の計画において重要です。直交計画の実験分析は、各主効果と交互作用を独立して推定できるため、一般的に明快な手法といえます。計画が直交ではなく、意図的にまたは偶発的にデータをなくしてしまった場合は、これほど明快に解釈できない可能性があります。

このことの重要性を次の例で説明します。実行数が8の23完全実施要因計画について考えます。
A B C
1 –1 –1
1 –1 1
–1 –1 1
–1 1 –1
–1 1 1
–1 –1 –1
1 1 1
1 1 –1
各列(ベクトル)が他の列に対して直交していることを示すには、A*B、A*C、B*Cを掛けます。
  • A*B = 1(–1) +1(–1) – 1(–1) – 1(1) – 1(1) – 1(–1) + 1(1) + 1(1) = –4 + 4 = 0
  • A*C = 1(–1) +1(1) – 1(1) – 1(–1) – 1(1) – 1(–1) + 1(1) + 1(–1) = –4 + 4 = 0
  • B*C = –1(–1) – 1(1) – 1(1) + 1(–1) + 1(1) – 1(–1) + 1(1) + 1(–1) = –4 + 4 = 0

したがって、因子AはBおよびCから独立して推定でき、逆も同じであるということになります。

交互作用をモデルから削除しても、効果と係数の推定値は変わりません。その他の出力は、自由度が大きくなったことに合わせて実験誤差(MSE)が調整されるのに伴って変更されます。

要するに、任意の因子の効果が他の因子の効果と相殺される(合計が0になる)とき、計画実験は直交です。直交性がある場合、1つの因子または交互作用の効果はモデル内の他の因子または交互作用の効果と切り離して推定できます。

計画が直交かどうかを調べる

計画が直交かどうかを調べるには、次の操作を行います。

要因計画を分析するとき、ワークシート内で計画が非コード化単位で表示されている場合、最初に統計 > 実験計画法(DOE) > 計画の表示を選択し、コード化単位を選択して、OKをクリックします。

  1. 統計 > 分散分析 > 一般線形モデル統計 > 実験計画法(DOE) > 要因計画 > 要因計画の分析を選択して、通常どおりにダイアログボックスに入力します。

    応答曲面計画、タグチ計画、混合計画についてもこれを実行できます。タグチ計画で計画行列を保存するには、線形モデルを適合する必要があります。

  2. 保存をクリックします。
  3. 計画行列を選択します。各ダイアログボックスでOKをクリックします。
  4. モデル内の誤差以外のすべての項の自由度を合計します。自由度は、分散分析表の[自由度]列にあります。
  5. データ > コピー > 行列から列にを選択します。
  6. 行列からコピーに、「XMAT1」と入力します。
  7. コピーされたデータを保存の下で、現在のワークシートで、列で:に空の列の範囲を入力します。この範囲は、モデル内の各自由度と1つの交互作用の列を含めるのに十分な大きさにする必要があります (たとえば、モデル内に7つの自由度がある場合、8列の合計欄が必要で、C11~C18に入力できます)。OKをクリックします。
  8. 統計 > 基本統計 > 相関を選択します。
  9. 変数にステップ7の列の範囲を入力します。
  10. OKをクリックします。
  11. この行列で、ゼロでない項を探します。正または負の値は、2つの列および関連する項が直交でないことを示します。

    要因計画の分析で、ワークシートで非コード化単位が使用されている場合、項は非コード化単位で計画行列に保存されます。統計 > 実験計画法(DOE) > 要因計画 > 要因計画の分析はコード化単位で分析を実行します。応答曲面計画の分析では、データ分析に選択した単位に応じて項がコード化単位または非コード化単位で計画行列に保存されます。