タグチ直交表は、一般に完全因子の組み合わせの一部だけを必要とする実験計画です。他の形式の直交表には、一部実施要因やプラケットーバーマン(Plackett-Burman)計画など多数あります。これらの直交表は、特定の実行数において可能な限り多くの因子を取り扱えるよう計画されます。タグチ計画の作成は、直交表の列の一部または全部を実験の因子に割り当てることにより行います。詳細は、タグチ計画のカタログを参照してください。
直交表の列はバランス型で直交に配置されます。これは、列の各ペアにおいて、因子の組み合わせがすべて同じ回数だけ発生することを意味しています。直交計画では、他のすべての因子から独立して各因子の応答に対する効果を推定することができます。
たとえば、L8の場合の実行数は8回です。(2^3)または(2 3)は2水準の3つの因子を表しています。
表記法がL(実行数)(自然数 ^ 指数 自然数 ^ 指数)の場合は、混合水準を持つ計画を意味します。たとえば、L18 (2^1 3^7) は、この計画が実行数18で、2つの水準を持つ因子が1つ、3つの水準を持つ因子が7つあることを意味しています。
計画に含まれる制御因子の数
因子とは、実験において制御する変数のことをいいます。独立変数、説明変数、予測変数とも呼ばれます。因子によって仮定できる有効値の数には限りがあり、因子水準として知られています。因子は、数値あるいはテキスト水準を持つことができます。数値因子の場合、因子となり得る値は数多くありますが、実験には特定の水準を選びます。
実験の目的は、雑音因子が応答に及ぼす効果を最小限にする制御因子の水準を選択することです。制御因子の例には、装置のセッティング、製品の製造に使用される材料のタイプ、製品設計の特徴などがあります。詳細は、タグチ計画の因子を参照してください。
計画に含まれるデータ行の数
実行とは、応答を測定するときの各実験条件または因子水準の組み合わせです。連の数(実行回数)は、基本的なタグチ直交表での行数にあたります。これは、実行する実験における別個の制御因子の組み合わせの数を示します。
それぞれ2つの水準を持つ3つの制御因子を伴う計画があるとします。この場合、実験の実行数は4回になります。
C1 | C2 | C3 |
---|---|---|
A | B | C |
1 | 1 | 1 |
1 | 2 | 2 |
2 | 1 | 2 |
2 | 2 | 1 |
各制御因子水準の組み合わせにおいて、様々な雑音因子条件で複数の実験の実行があります。ワークシートには雑音因子水準の条件に対して別個の応答列があります。
C1 | C2 | C3 | C4 | C5 |
---|---|---|---|---|
A | B | C | 雑音水準1 | 雑音水準2 |
1 | 1 | 1 | ||
1 | 2 | 2 | ||
2 | 1 | 2 | ||
2 | 2 | 1 |
信号因子の名前を表示します。
信号因子とは、ユーザーが製品を使用する際に制御する、ある範囲が設定された因子です。信号因子は、動的な実験で使用され、信号の各水準で応答が測定されます。この実験の目的は、信号因子と応答の関係を改善することにあります。
信号因子の例には、アクセルペダルの位置などがあります。その応答、つまり自動車の速度と、アクセルペダルにかけられる圧力の量の間には、一定の関係があります。詳細は、タグチ計画の因子を参照してください。