応答表は、各因子について最適な水準を選択するために使います。通常、タグチ計画は次のような目的で使用します。
- 標準偏差を最小化する
- SN比を最大化する
- 平均で目標を達成する(静的計画)
- 傾きで目標を達成する(動的計画)
デルタ値と順位値を使用して、各応答特性に最大の効果を与える因子を特定します。次に、これらの因子がどの水準であれば目的が達成されるのかを判断します。場合によっては、最適な因子水準は応答特性ごとに異なります。この問題を解決するには、因子水準のいくつかの組み合わせについて結果を予測し、どの組み合わせが最善の結果をもたらすのかを確認する方法が有効です。
解釈
- 平均応答特性
- 各因子に対して、因子の各水準における応答特性の平均値が計算されます。たとえば、2つの水準(1と2)に因子A、各水準に4つの測定値が含まれる計画があるとします。水準1で4つのSN比の平均と、水準2で別の4つのSN比の平均が計算されます。詳細はタグチ計画の分析の方法と計算式を参照してください。
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- SN比
- Minitabでは、計画中の制御因子水準の組み合わせごとに、SN比を別々に計算します。実験の目標に応じて、異なるSN比を選択できます。いずれの場合でも、SN比が最大になるようにします。
- 平均(静的計画)
- Minitabでは、計画中の制御因子水準の組み合わせごとに平均が計算されます。
- 傾き(動的計画)
- Minitabでは、計画中の制御因子水準の組み合わせごとに傾きが計算されます。
- 標準偏差
- Minitabでは、計画中の制御因子水準の組み合わせごとに標準偏差が計算されます。
- デルタ
- 因子について特性の平均値の最大値と最小値の差を取ることにより、効果の大きさの指標となります。
- 順位
- 応答表に含まれる順位によって、最も大きな効果を持つ因子をすばやく見つけることができます。この順位は、最大のデルタ値を持つ因子には順位1を、2番目に大きいデルタ値を持つ因子には順位2を与える、...という方法で決定されます。
この結果では、応答表には次の事柄が示されます。
- SN比において、Bが順位1で、D、A、Cと続きます。
- 平均において、Bが順位1で、A、C、Dと続きます。
- 標準偏差において、Cが順位1で、B、A、Dと続きます。
標準偏差を最小にし、SN比と平均を最大にする因子水準を選択したいと考えているとします。たとえば因子Bにおいて、水準1での全実行の平均SN比は42.15で、水準2での実行の平均は34.21です。これは水準1でSN比が最大になることを示しています。
SN比の応答表
望大特性
1 | 41.62 | 42.15 | 41.16 | 34.70 |
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2 | 34.75 | 34.21 | 35.20 | 41.66 |
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デルタ | 6.87 | 7.93 | 5.96 | 6.96 |
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順位 | 3 | 1 | 4 | 2 |
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平均の応答表
1 | 147.26 | 161.70 | 133.65 | 87.56 |
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2 | 73.54 | 59.10 | 87.15 | 133.24 |
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デルタ | 73.73 | 102.60 | 46.50 | 45.68 |
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順位 | 2 | 1 | 3 | 4 |
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標準偏差の応答表
1 | 6.417 | 7.000 | 7.000 | 6.417 |
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2 | 5.250 | 4.667 | 4.667 | 5.250 |
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デルタ | 1.167 | 2.333 | 2.333 | 1.167 |
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順位 | 3 | 2 | 1 | 4 |
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