タグチ計画の分析の要因計画プロットと散布図

すべてのプロットの定義と解釈について解説します。

主効果プロット

主効果プロットでは、各因子がいかに応答特性(SN比、平均、傾き、標準偏差)に影響を与えるかが示されます。主効果は、因子の異なる水準が特性に異なる影響を与える場合に存在します。2つの水準を持つ因子の場合、一方の水準の方がもう一方の水準よりも平均を高める場合があります。この違いが主効果になります。

この結果でSN比の主効果プロットは、肥料がSN比に対して最も大きい影響力を持つことを示しています。平均して、肥料2を使った実験のSN比の方が肥料1を使った実験よりもはるかに高くなっています。噴霧頻度のSN比に対する影響力はほぼありません。

交互作用プロット

タグチ計画は本来、主効果に注目するものですが、交互作用の可能性を検定することが重要です。交互作用プロットは、応答特性(SN比、平均、傾き、または標準偏差)へのある因子の効果が別の因子の水準に依存するかを決定するために使います。

解釈

交互作用プロットは因子間の交互作用を表します。Minitabでは、2つの因子について因子水準の各組み合わせの特性平均値がプロットされることにより、交互作用プロットが作成されます。したがって、それぞれ2つの水準を持つ2つの因子の場合、可能な組み合わせを表す4つの点がプロットされます。一方の因子の水準は、水平軸上に示されており、他方の因子の水準は異なる色の直線と記号で示されています。
  • これらの直線が互いに平行な場合、2つの因子の間に交互作用はありません。
  • これらの直線が互いに平行でない場合、2つの因子の間には交互作用があります。

この結果で、SN比においては線はほぼ平行になっています。肥料1と2のどちらを使用しても、品種2のほうが品種1よりもSN比が高くなっています。

交互作用プロットに加え、線形モデル分析も調べて交互作用が有意かどうかを判断します。

散布図

動的な応答実験における散布図では、信号に対しプロットされる応答が示されます。各プロットは実験における1つの制御因子に対するすべてのデータを表示します。プロットには次の項目が表示されます。
  • 参照点を通る最小二乗回帰直線。
  • そのプロットの因子設定が最初に現れる行を表す、各プロットの先頭の行番号。
  • プロットの底部に表示される、因子設定のSN比、傾き、および標準偏差。

解釈

これらのグラフは、比が最大となる実験の実行が最初にプロットされるよう、SN比の降順に配列されています。実験における因子設定の組み合わせが10以上の場合、散布図のグラフが複数表示されます。

次の問いを考慮してください。
  • 回帰直線は「最良の」実行条件に対し、データのパターンに良く一致しているか?
  • データのパターンは直線的か、それとも曲線的か?
  • 直線的な場合、その直線は回帰直線でうまく表されているか、それとも回帰直線からずれているか?
  • 異常な応答値または外れ値は見られるか?

このプロットでは、最良の適合と最悪の適合との間に、データのばらつきの実質的な差が見られます。たとえば、第1セルのプロットでは、行21のデータは回帰直線に非常に近く位置しています。左下隅のセルでは、行9のデータははるかに大きな広がりを見せています。行21の標準偏差は0.4089ですが、行9の標準偏差は1.1718と、非常に大きくなっています。