タグチ計画を分析(動的)の例

ある農業エンジニアが、バジルの苗の成長に対する5つの因子の影響を調査します。エンジニアは、苗の成長の変動性を低く抑えながら、成長率を増加させる因子設定を決定するために2水準タグチ実験を計画します。また、2つの雑音因子を操作して、温度および湿度条件の真の範囲にわたってバジルの成長を増加させる5つの因子の設定を決定します。

技師は、4つの水準(3、5、7、9)における成長時間である信号因子、時間を使って動的計画を作成します。技師はデータを収集し、ワークシートの4つの列にそれらを記録します。

  1. 標本データを開く、 バジル成長.MTW#.
  2. 統計 > 実験計画法(DOE) > タグチ > タグチ計画の分析を選択します。
  3. 応答データT1H1T1H2T2H1、およびT2H2を入力します。
  4. グラフをクリックし、主効果のプロットの作成およびモデルの交互作用標準偏差を選択します。OKをクリックします。
  5. 分析をクリックします。
  6. 応答表を表示で、すべてのオプションにチェックマークを入れます。線形モデルを適合するで、すべてのオプションにチェックマークを入れます。OKをクリックします。
  7. をクリックします。
  8. A: 品種B: 光量C: 肥料D: 水量E: 噴霧頻度、およびACの項を利用可能な項から選択された項に移動します。OKをクリックします。
  9. オプションをクリックします。
  10. 動的SN比で、固定参照点を通過してすべての線を適合するを選択します。
  11. 各ダイアログボックスでOKをクリックします。

結果を解釈する

選択した応答特性ごとに、推定回帰係数表が表示されます。p値を使用して統計的に有意な因子を特定し、係数を使用してモデルにおける各因子の相対的重要性を判断します。

この例で、SN比については肥料のp値は0.05より小さく(p = 0.033)、有意水準0.05において統計的に有意です。品種は有意水準0.10において統計的に有意です(p = 0.064)。傾きについては、どの因子も有意水準0.05あるいは0.10において統計的に有意ではありません。標準偏差については、p値は品種(p = 0.050)が有意水準0.05において統計的に有意であることを示しています。肥料(p = 0.054)、水量(p = 0.057)、および光量(p = 0.070)は、有意水準0.10において統計的に有意です。噴霧頻度(p = 0.300)と肥料*品種の交互作用(p = 0.169)は統計的に有意ではありません。

係数の絶対値は、各因子の相対強度を示します。係数が最大の因子は、与えられた応答特性に対して最大の影響力を持ちます。タグチ計画では、因子係数の大きさは通常、応答表の因子順位を反映しています。

応答表には、各因子のそれぞれの水準の応答特性の平均値が表示されています。また、効果の相対的な大きさを比較するために、デルタ統計量による順位も表示されています。デルタ統計量とは、各因子の最大平均から最小平均を引いたものです。順位はデルタ値に基づいて割り当てられ、最大のデルタ値が順位1、次に大きいデルタ値が順位2、という順になります。応答表の水準平均値を使用して、各因子のどの水準が最適な結果を提供するか判定します。

動的タグチ実験では、常にSN比が最大になるようにします。この例では、順位により、肥料がSN比と傾きの両方に最大の影響を及ぼしていることがわかります。SN比については、品種が2番目に大きな影響を与えており、以下に水量、光量、噴霧頻度が続きます。傾きについては、水量が次に大きな影響を与えており、以下に光量、品種、噴霧頻度と続きます。標準偏差については、順位は上から品種、肥料、水量、光量、噴霧頻度です。

この例では、技師は標準偏差を最小にし、SN比と傾きを最大にする因子水準を求めています。応答表の水準平均値は、SN比と傾きは次の水準のときに最大になることを示しています。
  • 品種、水準2
  • 肥料、水準2
  • 噴霧頻度、水準2
  • SN比と傾きは水準2において最大となる一方、標準偏差は水準1において最小となるので、光量と水量の最良の水準は一致しません。

    光量と水量の設定値の決定方法に関する詳細は、タグチ計画の結果を予測するの例を参照してください。

主効果プロットと交互作用プロットによって、これらの結果が裏付けられます。

SN比に対する推定モデル係数

係数係数の標準誤差T値p値
定数0.44010.23841.8460.316
品種 1-2.36670.2384-9.9260.064
光 1-1.13120.2384-4.7440.132
肥料 1-4.58000.2384-19.2090.033
水 1-1.42710.2384-5.9850.105
噴霧頻度 1-0.21270.2384-0.8920.536
品種*肥料 1 1-0.60410.2384-2.5340.239

モデル要約

SR二乗R二乗 (調整済み)
0.674499.81%98.69%

SN比の分散分析

要因自由度逐次平方和調整平方和調整平均平方F値p値
品種144.80944.80944.80998.520.064
110.23610.23610.23622.510.132
肥料1167.811167.811167.811368.970.033
116.29316.29316.29335.820.105
噴霧頻度10.3620.3620.3620.800.536
品種*肥料12.9202.9202.9206.420.239
残差誤差10.4550.4550.455   
合計7242.886       

傾きに対する推定モデル係数

係数係数の標準誤差T値p値
定数0.7153530.0379618.8460.034
品種 1-0.0286170.03796-0.7540.589
光 1-0.1110200.03796-2.9250.210
肥料 1-0.1889040.03796-4.9770.126
水 1-0.1716430.03796-4.5220.139
噴霧頻度 1-0.0086840.03796-0.2290.857
品種*肥料 1 1-0.0204460.03796-0.5390.685

モデル要約

SR二乗R二乗 (調整済み)
0.107498.20%87.43%

傾きの分散分析

要因自由度逐次平方和調整平方和調整平均平方F値p値
品種10.0065510.0065510.0065510.570.589
10.0986030.0986030.0986038.550.210
肥料10.2854770.2854770.28547724.770.126
10.2356900.2356900.23569020.450.139
噴霧頻度10.0006030.0006030.0006030.050.857
品種*肥料10.0033440.0033440.0033440.290.685
残差誤差10.0115270.0115270.011527   
合計70.641795       

標準偏差に対する推定モデル係数

係数係数の標準誤差T値p値
定数0.641820.0107559.6970.011
品種 10.137610.0107512.7990.050
光 1-0.096850.01075-9.0080.070
肥料 10.125920.0107511.7120.054
水 1-0.119610.01075-11.1250.057
噴霧頻度 1-0.021080.01075-1.9610.300
品種*肥料 1 10.039660.010753.6890.169

モデル要約

SR二乗R二乗 (調整済み)
0.030499.81%98.67%

標準偏差の分散分析

要因自由度逐次平方和調整平方和調整平均平方F値p値
品種10.1514900.1514900.151490163.820.050
10.0750400.0750400.07504081.150.070
肥料10.1268450.1268450.126845137.170.054
10.1144560.1144560.114456123.770.057
噴霧頻度10.0035560.0035560.0035563.850.300
品種*肥料10.0125810.0125810.01258113.610.169
残差誤差10.0009250.0009250.000925   
合計70.484893       

SN比の応答表

動的応答
水準品種肥料噴霧頻度
1-1.9266-0.6911-4.1399-0.98700.2274
22.80681.57125.02011.86720.6527
デルタ4.73332.26239.16002.85420.4253
順位24135

傾きの応答表

水準品種肥料噴霧頻度
10.68670.60430.52640.54370.7067
20.74400.82640.90430.88700.7240
デルタ0.05720.22200.37780.34330.0174
順位43125

標準偏差の応答表

水準品種肥料噴霧頻度
10.77940.54500.76770.52220.6207
20.50420.73870.51590.76140.6629
デルタ0.27520.19370.25180.23920.0422
順位14235