係数は、モデル内の項と応答変数の関係の大きさと方向を表します。項間の多重共線性を最小限に抑えるために、係数はすべてコード化単位になっています。
項の係数は、その項のコード化単位1つ分の増加に関連付けられた平均応答の変化を表し、他の全ての項は固定されます。相関係数の符号は項と応答変数の関係の方向を示します。効果の大きさは、項の統計的な有意性は示しません。有意性の計算には、係数の推定値の精度も考慮されるためです。統計的な有意性を判断するには、項のp値を調べます。
共変量の項やブロックの項などの因子でない項は、コード化単位を使用しません。これらの係数の解釈は異なります。
係数の標準誤差により、同じ母集団から繰り返しサンプルを抽出する場合に得られる係数推定値間の変動を推定します。計算では、サンプルを繰り返し抽出する場合は実験計画と係数の推定値は変わらないと仮定します。
係数の標準誤差は、係数の推定値の精度を測定するために使用します。標準誤差が小さいほど、推定値の精度が高くなります。係数を標準誤差で割ったものがt値です。t統計量と関連付けられたp値が有意水準以下の場合、係数は統計的に有意であると結論付けることができます。
これらの信頼区間は、モデルにおける各項に対する係数の真の値を含む可能性が高い値の幅です。
データのサンプルはランダムであるため、2つの母集団サンプルの信頼区間が同一である可能性は低くなります。しかし、ランダムなサンプルを何度も繰り返して測定すると、得られた信頼区間の特定の割合に未知の母集団パラメータが含まれることになります。このようなパラメータを含む信頼区間の割合(%)を区間の信頼水準と言います。
信頼区間を使用して、モデルの各項の母集団係数の推定値を評価します。
たとえば、信頼水準が95%の場合、信頼区間に母集団の係数の値が含まれていることが95%信頼できます。信頼区間により、結果の実質的な有意性を評価しやすくなります。状況に応じた専門知識を利用して、信頼区間に実質的に有意な値が含まれているかどうかを判断します。信頼区間が広すぎて役に立たない場合、サンプルのサイズを増加させることを検討します。
t値は、係数とその標準誤差の間の比率を測定します。
t値を使用してMinitabで計算されるp値に基づいて、係数が0と有意に異なるかどうかを検定することができます。
t値を使用して、帰無仮説を棄却するかどうかを判断できます。ただし、帰無仮説棄却のしきい値は自由度に依存しないため、p値が使用される頻度は高まります。t値に関する詳細については、t値を使用して、帰無仮説を棄却するかどうかを判断するを参照してください。
p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。
係数が0と異なるかどうかを判断するには、項のp値と有意水準を比較して帰無仮説を評価します。この帰無仮説は、係数は0に等しく、項と応答に関連性がないという仮定です。
通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には係数は0であるにも関わらず、0ではないと結論付けるリスクが5%であることを示しています。
分散拡大要因(VIF: Variance Inflation Factor)は、モデルの予測変数間の相関が、回帰係数の分散をどのくらい増大させるかを示しています。
モデルにおいて、どれくらい多重共線性(予測変数間の相関)が存在するかを表すのに分散拡大要因(VIF)を使います。スクリーニング計画モデルで最もよくあるケースは主効果しかないことです。そうしたケースでは、共変量または不備のある実行がない限り、分散拡大要因は1と等しくなります。スクリーニング計画モデルによくある部分的な別名により多重共線性は増加します。多重共線性により統計的優位性の決定は複雑になります。モデル内に共変量が含まれていて、データ収集中に不備のある実行が発生した場合、分散拡大要因の値が増加することもあります。以下のガイドラインに従ってVIFを解釈します。
VIF | 予測変数ステータス |
---|---|
VIF = 1 | 相関なし |
1 < VIF < 5 | 穏やかに相関 |
VIF > 5 | 強く相関 |
統計的有意性を使用して、多重共線性のあるモデルから項を削除するときは注意が必要です。モデルから項を1つずつ追加・削除します。モデルを変更するときは、統計的有意性の検定とモデル要約統計量の変化を監視します。