標準化効果のパレート図は、主効果、二乗効果、交互作用効果について、相対的重要度と統計的有意性の両方を比較するために使用します。モデルに誤差項が含まれている場合、図には標準化効果の絶対値が表示されます。モデルに誤差項が含まれない場合、パレート図は作成されません。
Minitabでは、標準化効果が絶対値の大きなものから小さなものに向かってプロットされます。管理図上の参照ラインは、効果の有意性を示します。参照線の作成には、デフォルトで有意水準0.05が使用されます。
モデルにおける応答と各項の間の関係が統計的に有意かどうか判断するには、項のp値と有意水準とを比較して帰無仮説を評価します。この帰無仮説は、項の係数は0に等しく、項と応答に関連性がないという仮定です。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には関連性がない場合でも、関連性が存在すると結論付けてしまうリスクが5%であるということを示します。
モデル項が統計的に有意な場合、解釈は項のタイプによって異なります。解釈は以下のとおりです。
要因 | 自由度 | 調整平方和 | 調整平均平方 | F値 | p値 |
---|---|---|---|---|---|
モデル | 14 | 1137.51 | 81.251 | 4.19 | 0.004 |
線形 | 4 | 218.65 | 54.662 | 2.82 | 0.060 |
ホットバー温度 | 1 | 68.13 | 68.129 | 3.52 | 0.079 |
保圧時間 | 1 | 70.94 | 70.939 | 3.66 | 0.074 |
ホットバー圧力 | 1 | 52.62 | 52.616 | 2.71 | 0.119 |
材料温度 | 1 | 26.96 | 26.963 | 1.39 | 0.255 |
平方 | 4 | 372.07 | 93.018 | 4.80 | 0.010 |
ホットバー温度*ホットバー温度 | 1 | 202.61 | 202.611 | 10.45 | 0.005 |
保圧時間*保圧時間 | 1 | 175.32 | 175.318 | 9.05 | 0.008 |
ホットバー圧力*ホットバー圧力 | 1 | 50.52 | 50.522 | 2.61 | 0.126 |
材料温度*材料温度 | 1 | 37.87 | 37.866 | 1.95 | 0.181 |
双方向の交互作用 | 6 | 546.79 | 91.132 | 4.70 | 0.006 |
ホットバー温度*保圧時間 | 1 | 540.47 | 540.470 | 27.89 | 0.000 |
ホットバー温度*ホットバー圧力 | 1 | 0.12 | 0.121 | 0.01 | 0.938 |
ホットバー温度*材料温度 | 1 | 0.30 | 0.305 | 0.02 | 0.902 |
保圧時間*ホットバー圧力 | 1 | 4.84 | 4.840 | 0.25 | 0.624 |
保圧時間*材料温度 | 1 | 0.90 | 0.899 | 0.05 | 0.832 |
ホットバー圧力*材料温度 | 1 | 0.16 | 0.160 | 0.01 | 0.929 |
誤差 | 16 | 310.08 | 19.380 | ||
不適合 | 10 | 308.20 | 30.820 | 98.51 | 0.000 |
純誤差 | 6 | 1.88 | 0.313 | ||
合計 | 30 | 1447.60 |
データに対するモデルの適合度を判断するために、モデル要約表の適合度統計量を調査します。
Sを使い、モデルがどの程度良好に応答を表示するか判断します。R2統計量の代わりにSを使い、モデルの適合を比較します。
Sは応答変数の単位で測定され、データ値と真の応答曲面がどの程度離れているかの分散を表します。Sの値が小さければ小さいほど、モデルによる応答の記述が良好になります。ただし、Sの値が小さいだけでは、そのモデルが仮定を満たしているとは言い切れません。残差プロットを確認して仮定を検証する必要があります。
R2値が大きくなるほど、モデルのデータへの適合度は上がります。R2は常に0~100%の間の値になります。
R2はモデルに新しい予測変数を追加すると必ず大きくなります。たとえば、最適な5予測変数モデルのR2は必ず、最適な4予測変数モデルと少なくとも同じ大きさになります。したがって、R2値は同じ大きさのモデルの比較に最も便利です。
異なる数の予測変数を持つモデルを比較する場合は、調整済みR2を使用します。R2はモデルに予測変数を追加すると、それがモデルを改善しないとしても必ず大きくなります。調整済みR2値にはモデルに含まれる予測変数の数が組み入れられるため、正しいモデルの選択に役立ちます。
予測R2を使用して、モデルが新しい観測値に対する応答をどの程度良好に予測するかを判断します。予測R2値が大きいモデルの予測能力は優れています。
R2よりも大幅に低い予測R2は、モデルの過剰適合を示している可能性があります。過剰適合は、母集団には重要でない項を追加した場合に起こります。そのモデルはサンプルデータに即してしまい、母集団の予測に適さなくなる可能性があります。
予測R2は、モデル計算に含まれていない観測値によって計算されるため、モデルを比較する場合は調整済みR2より便利です。
S | R二乗 | R二乗 (調整済み) | R二乗 (予測) |
---|---|---|---|
4.40228 | 78.58% | 59.84% | 0.00% |
この結果でモデルは、78.58%の光出力の変動を説明しています。ただし、0%のR2(予測)はモデルが過剰適合されていることを示しています。新しいモデルが別の予測変数と適合する場合は、調整済みR2値と予測R2値を使ってモデルの適合度を比較してください。
残差プロットを使用して、モデルが適切か、分析の仮定が満たされているかどうかを判断しやすくします。仮定を満たさない場合、そのモデルはデータにあまり適合しない可能性があり、結果の解釈は慎重に行う必要があります。
残差プロットのパターンを処理する方法の詳細は要因計画の分析の残差プロットを参照し、ページ上部にある一覧の中から残差プロット名をクリックしてください。
パターン | パターンが示す意味 |
---|---|
残差が適合値周辺に扇状または不均等に分散している | 不均一分散 |
曲線 | 高次の項の欠損 |
ゼロから遠い点 | 外れ値 |
ある点が他の点からX軸方向に遠く離れている | 影響力のある点 |
残差対適合値プロットを使用して、残差はランダムに分布し、均一な分散が存在するという仮定を検証します。点が特徴的なパターン無く0の両側にランダムに分布するのが理想的です。
残差の正規確率プロットを使用して、残差が正規分布に従うという仮定を検証します。残差の正規確率プロットは、ほぼ直線になります。
以下の表にあるパターンは、このモデルが、モデルの仮説を満たさないことを示している可能性があります。
パターン | パターンが示す意味 |
---|---|
直線ではない | 非正規性 |
直線から離れた点 | 外れ値 |
傾きが変化する | 未確認の変数 |