成分間の依存により、混合実験における成分の線形項に対するp値は表示されません。特に、成分の合計は固定量や合計比率である1になる必要があるため、1つの成分を変更すると他の成分も変えざるを得なくなります。さらに、定数は線形項に取り込まれているので、混合実験のモデルには定数は含まれません。
項 | 係数 | 係数の標準誤差 | t値 | p値 | VIF |
---|---|---|---|---|---|
エメンタール | 104.874 | 0.667 | * | * | 15.94 |
グリュイエール | 175.08 | 5.89 | * | * | 203.46 |
スープ | -8.810 | 0.659 | * | * | 26.04 |
エメンタール*グリュイエール | 59.2 | 10.3 | 5.75 | 0.000 | 57.33 |
グリュイエール*スープ | 30.04 | 9.00 | 3.34 | 0.008 | 109.44 |
エメンタール*温度 | 4.500 | 0.475 | 9.48 | 0.000 | 8.09 |
グリュイエール*温度 | 4.500 | 0.679 | 6.62 | 0.000 | 2.71 |
スープ*温度 | 4.500 | 0.443 | 10.16 | 0.000 | 11.76 |
すべての交互作用項のp値は、有意水準0.05よりも低くなっています。
2成分の交互作用項に対する正の係数は、2成分の配合が相乗的に作用することを示しています。各配合の平均風味点は、それぞれの成分だけからなる純粋配合の風味点を単に平均したものより高くなります。
さらに、材料とプロセス変数である温度の交互作用は、混合物の風味点は配膳温度に依存することを示しています。
データに対するモデルの適合度を判断するために、モデル要約表の適合度統計量を調査します。
Sを使い、モデルがどの程度良好に応答を表示するか判断します。R2統計量のかわりにSを使い、定数を持たないモデルの適合を比較します。
Sは応答変数の単位で測定され、データ値と適合値の間の距離を表します。Sの値が小さければ小さいほど、モデルによる応答の記述が良好になります。ただし、Sの値が小さいだけでは、そのモデルが仮定を満たしているとは言い切れません。残差プロットを確認して仮定を検証する必要があります。
R2値が大きくなるほど、モデルのデータへの適合度は上がります。R2は常に0~100%の間の値になります。
R2はモデルに新しい予測変数を追加すると必ず大きくなります。たとえば、最適な5予測変数モデルのR2は必ず、最適な4予測変数モデルと少なくとも同じ大きさになります。したがって、R2値は同じ大きさのモデルの比較に最も便利です。
異なる数の予測変数を持つモデルを比較する場合は、調整済みR2を使用します。R2はモデルに予測変数を追加すると、それがモデルを改善しないとしても必ず大きくなります。調整済みR2値にはモデルに含まれる予測変数の数が組み入れられるため、正しいモデルの選択に役立ちます。
予測R2を使用して、モデルが新しい観測値に対する応答をどの程度良好に予測するかを判断します。予測R2値が大きいモデルの予測能力は優れています。
R2よりも大幅に低い予測R2は、モデルの過剰適合を示している可能性があります。過剰適合は、母集団には重要でない項を追加した場合に起こります。そのモデルはサンプルデータに即してしまい、母集団の予測に適さなくなる可能性があります。
予測R2は、モデル計算に含まれていない観測値によって計算されるため、モデルを比較する場合は調整済みR2より便利です。
S | R二乗 | R二乗 (調整済み) | 予測残差平方和 (PRESS) | R二乗 (予測) |
---|---|---|---|---|
0.276960 | 99.98% | 99.97% | 2.65322 | 99.93% |
この結果でモデルは、99.98%の風味点の変動を説明しています。これらのデータで、R2値はモデルが良好にデータに適合していることを示しています。新しいモデルが別の予測変数と適合する場合は、調整済みR2値と予測R2値を使ってモデルの適合度を比較してください。
残差プロットを使用して、モデルが適切か、分析の仮定が満たされているかどうかを判断しやすくします。仮定を満たさない場合、そのモデルはデータにあまり適合しない可能性があり、結果の解釈は慎重に行う必要があります。
残差プロットのパターンを処理する方法の詳細は混合計画の分析の残差プロットを参照し、ページ上部にある一覧の中から残差プロット名をクリックしてください。
パターン | パターンが示す意味 |
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残差が適合値周辺に扇状または不均等に分散している | 不均一分散 |
曲線 | 高次の項の欠損 |
ゼロから遠い点 | 外れ値 |
ある点が他の点からX軸方向に遠く離れている | 影響力のある点 |
残差対適合値プロットを使用して、残差はランダムに分布し、均一な分散が存在するという仮定を検証します。点が特徴的なパターン無く0の両側にランダムに来るのが理想的です。
残差の正規確率プロットを使用して、残差が正規分布に従うという仮定を検証します。残差の正規確率プロットは、ほぼ直線になります。
以下の表にあるパターンは、このモデルが、モデルの仮説を満たさないことを示している可能性があります。
パターン | パターンが示す意味 |
---|---|
直線ではない | 非正規性 |
直線から離れた点 | 外れ値 |
傾きが変化する | 未確認の変数 |