D最適応答曲面計画選択の例

ある材料科学者が、水晶成長の変動性の大部分を説明する4つの因子を特定しました。科学者は水晶の成長に最適な条件を定義するために中心複合応答曲面実験を計画します。計画を作成した後で、利用できるリソースが限られているために、実験に含めることができる計画点の数が20個までであることが分かりました。

科学者が元々作成した計画は、2つのブロックに4つの因子がある中心複合計画です。この4因子は次のとおりです。
  • 水晶が触媒にさらされる時間
  • 曝露室内の温度
  • 曝露室内の圧力
  • 曝露室内の空気中に占める触媒のパーセント

ブロックは、まず要因計画点と中心点を評価してから計画を連続的に実行するプランを表しています。最初のブロックの分析によって、モデルに2次項を追加するために軸ブロックの点を実行するように選択できます。

科学者は元のブロック化計画に従う元の計画から20個の点を選択する際の基準として、また完全中心複合計画で分析しようとしていた項を推定できるよう、D-最適性を使用したいと考えています。

  1. 標本データを開く、 水晶成長最適計画.MTW. このワークシートには、中心複合計画の例で作成した応答曲面計画が保存されています。
  2. 統計 > 実験計画法(DOE) > 応答曲面 > 最適計画を選択を選択します。
  3. 点の数 (最適計画内)に、20を入力します。
  4. をクリックします。
  5. 各ダイアログボックスでOKをクリックします。

結果を解釈する

出力には、次のようにいくつかの成分が含まれます。
D-最適計画の要約
この計画は、候補となる30回の実験実行セットから抽出した20回の実験実行のサブセットです。
モデル項
D-最適計画は、指定したモデルによって異なります。この結果では、項にはのサブダイアログボックスでデフォルトの完全2次項が含まれています。項は次のようになります。
  • ブロック A B C D AA BB CC DD AB AC AD BC BD CD
ある項のセットに対してD-最適な計画は、必ずしも他の項のセットに対してもD-最適であるとは限りません。
計画の選択方法
最適計画は2つのフェーズで選択されます。
  • 第1のフェーズでは適切な実行数の初期計画が、順次最適化を使用して、またはランダムに選択された実行を含んで選択されます。
  • 第2のフェーズでは、交換法またはフョードロフ法を使用してこの計画が改善されます。
この例では、順次最適化によって初期計画が生成されています。最適性は交換法で改善されています。交換法では、1つの点は各ステップごとに交換されます。
選択した順序での実験の実行
番号は、元のワークシート内に表示された実験の行を表します。

どの計画点が選択されるかは、候補セット内での点の行順によって異なります。つまり、同じ候補セットでも、行の順序が違えば異なる最適計画が選択される可能性があります。これが起こりうるのは、複数のD-最適計画が指定した点の候補セットに対して存在することがあるためです。

統計量
計画の比較には最適性の尺度が使用できますが、与えられたD-最適計画の最適性はモデルに依存するということに留意してください。つまり、最適性は固定された計画サイズと特定のモデルのために定義されているということです。たとえば計画を比較する際、D-最適性は大きい方が良好ですが、A-最適性は低い方が良好です。
D-最適性を使用して選択された応答曲面計画
候補計画点の数: 30
最適計画の計画点の数: 20
モデルに含める項: ブロック, A, B, C, D, AA, BB, CC, DD, AB, AC, AD, BC, BD, CD
初期計画は逐次法によって作成されます
初期計画は交換法によって改善されます
交換された計画点の数は1です

最適計画

選択された計画点の行番号: 22, 23, 25, 27, 4, 8, 19, 2, 14, 15, 13, 6, 9, 3, 16, 24, 28, 30, 26, 1
条件数:10.2292
D-最適性 (XTXの行列式):2.73819E+18
A-最適性 (inv (XTX) のトレース):2.50391
G-最適性 (平均てこ比/最大てこ比):0.8
V-最適性 (平均てこ比):0.8
最大てこ比:1