フィッシャーのLSD法は、個別過誤率を指定した有意水準に保ちながら、因子水準平均におけるすべてのペアの差の信頼区間を作成するために分散分析で使用されます。フィッシャーのLSD法では、個別過誤率と比較数を使用して、すべての信頼区間の同時信頼水準を計算します。この同時信頼水準とは、すべての信頼区間に真の差が含まれる確率を指します。多重比較を行う際は、全体過誤率を考慮することが重要です。一連の比較で第1種の過誤を犯す確率は、1つの比較の過誤率よりも高くなるためです。
たとえば、メモリチップの応答時間を測定するとします。5社のメーカーからサンプルとして25個のチップを抽出しました。分散分析ではp値が0.01という結果がでたので、メーカー平均の少なくとも1つが他と異なっていると結論付けました。
5つの工場間の10すべての比較を調べ、具体的にどの平均が異なっているのかを判断することにします。フィッシャーのLSD法を使って、各比較の個別過誤率を0.05(95%の信頼水準に相当)に指定します。Minitabでは10の95%の信頼区間が作成され、このセットから71.79%の同時信頼水準が得られることが計算されます。この内容を理解したうえで、次に信頼区間を調べ、ゼロを含む(有意な差を示唆する)信頼区間がないかを識別できます。