たとえば、自社の建築製品用に異なる合金(1、2、3)の強度と柔軟性の影響を調べていたとします。最初に2種類の分散分析(ANOVA)を実行しましたが、結果は有意ではありませんでした。驚いて、両方の応答変数を個別値プロットにプロットしました。これらのプロットでは、有意でない分散分析の結果を視覚的に確認できます。
プロットでは、応答変数が相関していました。そこで多変量分散分析を実行することにしました。このときには0.05未満のp値が得られ、有意な結果となりました。散布図を作成すると、結果をよりよく理解できます。
個別値プロットは、単変量の視点から合金が製品の強度と柔軟性のどちらにも影響しないことを表しています。しかし、同じデータを使った散布図では、異なる合金がこれらの2つの応答値の間の関係に変化を及ぼしていることがわかります。つまり、指定された柔軟性のスコアでは、合金1と2に比べ、合金3が全体的に高い強度を示しています。分散分析(ANOVA)ではこのような多変量応答を検出できませんが、多変量分散分析(MANOVA)では可能です。
通常、分析を実行する前にデータをグラフ化する必要があります。これによって、どの手法をとるのが適切かを判断するのに役立ちます。
仮説行列を要求すると、SSCP(平方和と積和)行列が表示されます。
検定統計量は、HまたはE、あるいはその両方、またはE-1 Hの固有値のいずれかの形式で表記できます。これらの固有値の表示を要求することもできます。(固有値が繰り返される場合は対応する固有ベクトルが一意なものではなく、この場合、Minitabが表示する固有ベクトルと本やその他のソフトウェア内の固有ベクトルは一致しません。ただし、多変量分散分析検定は常に一意です。)