平均平方とは

平均平方は、母集団分散の推定のことです。対応する平方和を自由度で割ったものです。

回帰

回帰では、平均平方はモデル中の項が有意かどうかを判定するために使用されます。
  • 項の平方和を自由度で割ったものが項の平均平方です。
  • 残差誤差の平方和を自由度で割ったものが誤差の平均平方(MSE)です。誤差の平均平方は、適合された回帰直線の周辺の分散(s2)を表します。

平均平方(項)を誤差の平均平方で割るとF値が算出され、この値は項の自由度と誤差の自由度のF分布に従います。

分散分析

分散分析では、平均平方は因子(処理)が有意かどうかを判定するために使用されます。
  • 処理の平方和を自由度で割ったものが処理の平均平方です。処理の平均平方は、サンプル平均間の変動を表します。
  • 残差誤差の平方和を自由度で割ったものが誤差の平均平方(MSE)です。誤差の平均平方は、サンプル内の変動を表します。

たとえば、3種類の衣料用洗剤の効果を実験で調査しているとします。それぞれの洗剤を20回ずつ観察しました。洗剤1、洗剤2、洗剤3の間の平均の変動は、処理の平均平方として表されます。サンプル内の変動は誤差の平均平方として表されます。

調整平均平方とは

調整平方和を自由度で割ったものが調整平均平方です。調整平方和は、モデルに入力される因子の順序に依存しません。調整平方和は、因子で説明されるSS回帰特有の部分であり、モデルへの因子の入力順序に関係なく、モデル中のすべての他の因子を仮定に含めます。

たとえば、因子X1、X2、X3を扱うモデルがあった場合、X1およびX3もモデル内にあると仮定して、X2の調整平方和はX2の残りの変動がどれほど結果に寄与しているのかを表します。

平均平方の期待値とは

因子を変量因子として指定しなかった場合は、Minitabではこれらを固定因子と仮定します。この場合、F統計量の分母は誤差の平均平方(MSE)になります。ただし、ランダム項を含むモデルについては、MSEが常に正しい誤差項になるとは限りません。平方平均の期待値を調べることによって、F検定で使用された誤差項を判断できます。

一般線形モデル実行時、F検定ごとに使用された平均平方の期待値、推定された分散成分、誤差項(分母の平均平方)の表がデフォルトで表示されます。平均平方の期待値は、指定されたモデルでのこれらの項の期待値です。その項にふさわしいF検定がない場合は、類似するF検定を構築するため、適切な誤差項が得られます。このテストは、合成テストと呼ばれます。

分散成分の推定は、不偏分散分析推定値です。これらの値は、計算された各平均平方がその平均平方の期待値に等しくなるように設定することによって取得され、解決される未知の分散成分に線形方程式のシステムが与えられます。この手法では、推定値が負の値になることがあり、その場合はゼロに設定されます。ただし、適合させるモデルがデータにとって不適切であることを表すことがあるため、Minitabではこのような負の推定値も表示します。分散成分は、固定の項には推定されません。