混合効果モデルの当てはめの固定効果検定の表

固定効果検定の表のすべての統計量の定義と解釈について解説します。

自由度(DF)

自由度(DF)は、データに含まれる情報量のことです。分析ではこの情報を使用しF検定を行い、固定効果項を分析します。DF Numでは、固定効果項のF検定に使用する分子の自由度が表示されます。値は固定効果項のパラメータ数と同じになります。DF Denでは固定効果項のF検定に使用する分母の自由度が表示されます。

F値

固定効果検定の表の、各固定効果項に対してF値が表示されます。F値は、項が応答に大きく影響しているかどうかを判定するF検定に使用されます。

解釈

F値を使用してMinitabで計算されるp値に基づいて、項の統計的有意性に関する決定を下すことができます。p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。

F値の大きさが十分であれば、その項が有意であることを示します。

F値から帰無仮説を棄却するかどうかを判断するには、F値を棄却限界値と比較します。Minitabで棄却限界値を計算することも、ほとんどの統計に関する書籍に掲載されているF分布表で棄却値を見つけることもできます。Minitabを使用した棄却値の計算に関する詳細は、逆累積分布関数(ICDF)の使用に進み、「ICDFを使用して棄却値を計算」をクリックします。

p値~項

p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。

解釈

項が応答に大きく影響するかどうかを判断するには、p値を有意水準と比較します。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には影響が無い場合に、影響があると結論付けてしまうリスクが5%であるということを示します。

各p値の解釈は、それが固定因子項の係数のなのか、共変量項の係数のなのかによって異なります。

固定因子項

固定因子項の場合、帰無仮説は固定因子項が応答に大きく影響しないという仮定です。
p値 ≤ α:固定因子項は応答に大きく影響している

p値が有意水準以下であれば、固定因子項が応答に対して大きく影響すると結論付けることができます。帰無仮説の棄却は、1つの水準効果が項の他の水準効果と有意に異なっていることを意味します。

p値 > α:固定因子項は応答に大きく影響しない
p値が有意水準より大きい場合、固定因子項が応答に対して大きく影響すると結論付けることはできません。項を持たないモデルを再適合したいと考えるかもしれません。

共変量項

共変量項の場合の帰無仮説は、項と応答に関連性がないという仮定です。
p値 ≤ α:関連性は統計的に有意ではない
p値が有意水準以下の場合は、応答と共変量項の間に統計的に有意な関連性が存在すると結論付けることができます。
p値 > α:その関連性は統計的に有意ではない
p値が有意水準より大きい場合は、応答と共変量項の間に統計的に有意な関連性があると結論付けることはできません。共変量項なしでモデルを再適合してみてください。