一般多変量分散分析の多変量分散分析(MANOVA)検定表

多変量分散分析(MANOVA)検定表における統計量の定義と解釈について解説します。

s

ウィルク、ローリー-ホートリング、およびピライの検定におけるF統計量はsを使って計算されます。F-統計量はs = 1または2のときは正確な値ですが、そうでない場合は近似値です。Minitabでのsの計算方法に関する詳細については、多変量分散分析検定の方法と計算式を参照してください。

解釈

Minitabは、sを用いてF値とp値を計算します。通常、解釈が容易なp値を評価します。

m

ウィルク、ローリー-ホテリング、およびピライの検定におけるF統計量はmを使って計算されます。Minitabでのmの計算方法に関する詳細については、多変量分散分析(MANOVA)検定の方法と計算式を参照してください。

解釈

Minitabは、mを用いてF値とp値を計算します。通常、解釈が容易なp値を評価します。

n

ウィルク、ローリー-ホテリング、およびピライの検定におけるF統計量はnを使って計算されます。Minitabでのnの計算方法に関する詳細については、「多変量分散分析(MANOVA)検定の方法と計算式」を参照してください。

解釈

Minitabは、nを用いてF値を計算し、その後p値を計算します。通常、解釈が容易なp値を評価します。

基準

Minitabでは、デフォルトで4つの多変量検定の表がモデルの各項に対して表示されます。
  • ウィルクの検定は最初に導出された検定で、よく知られたF近似があるため、一般に最もよく使用される検定です。
  • ローリーーホテリングの検定は、ホテリングの一般化されたT2統計量とも呼ばれます。
  • ピライの検定は、ほとんどの場合で最適な検定と言えます。ピライの検定は、ウィルクの検定やローリー-ホテリングの検定と類似の結果が得られます。
  • ロイの最大根検定は、平均のベクトルが共線的な場合に最適です。ロイの検定には十分な近似F統計量がありません。

解釈

ウィルク、ローリー-ホテリング、およびピライの検定の統計量のp値を調べて、モデルの効果に有意な証拠があるかどうかを判断します。p値が有意水準より小さい場合、効果は統計的に有意です。通常は、いずれの検定を使用しても同じ結論に到達します。結論が異なる場合、どの検定がデータに最適なのかを判断します。

検定統計量

Minitabでは、多変量検定にそれぞれ検定統計量が表示されます。各検定に対応する検定統計量の名称は次の通りです。
  • ウィルクのλ
  • ローリーーホテリングのトレース
  • ピライのトレース
  • 最大固有値、λ1

Minitabでの検定統計量の計算方法に関する詳細については、それぞれの方法と計算式を参照してください。

解釈

Minitabは、検定統計量を用いてF値とp値を計算します。通常、解釈が容易なp値を評価します。

F値

F値は分散分析表の各項に表示されます。
モデルまたは項におけるF値
F値は項が応答に関連付けられているかを判断する検定統計量です。
不適合度検定におけるF値
F値は、モデルに対し、そのモデルの予測変数が含まれる高次項を欠損しているかを判断する検定統計量です。

解釈

F値を使用してMinitabで計算されるp値に基づいて、項およびモデルの統計的有意性に関する決定を下すことができます。p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。

F値の大きさが十分であれば、その項またはモデルが有意であることを示します。

F値から帰無仮説を棄却するかどうかを判断するには、F値を棄却限界値と比較します。Minitabで棄却限界値を計算することも、ほとんどの統計に関する書籍に掲載されているF分布表で棄却値を見つけることもできます。Minitabでの棄却限界値の計算方法については、 逆累積分布関数(ICDF)の使用に進み、「逆累積分布関数で棄却限界値を計算する」をクリックします。

分子の自由度(DF Num)

DF Numは、MinitabがF値を計算するための分子の自由度です。

解釈

Minitabは、F値を用いてp値を計算します。通常、解釈が容易なp値を評価します。

分母の自由度(DF Denom)

DF Denomは、MinitabがF値を計算するための分母の自由度です。

解釈

Minitabは、F値を用いてp値を計算します。通常、解釈が容易なp値を評価します。

p値

p値は帰無仮説を棄却するための証拠を測定する確率です。確率が低いほど、帰無仮説を棄却する強力な証拠となります。

解釈

すべての応答から平均の同等性を同時に検定するには、項ごとの多変量分散分析検定表のp値と有意水準を比較します。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には関連性がない場合でも、関連性が存在すると結論付けてしまうリスクが5%であるということを示します。
p値 ≤ α:平均値の間の差は統計的に有意です
p値が有意水準以下の場合は、平均値間の差は統計的に有意であると結論付けることができます。
p値 > α:平均値の間の差は統計的に有意ではありません
p値が有意水準より大きい場合は、平均値間の差は統計的に有意であると結論付けることができません。項を持たないモデルを再適合したいと考えるかもしれません。
応答との間に統計的に有意な関連性がない予測変数が複数存在する場合は、一度に1つずつ項を削除することによってモデルを縮約できます。モデルからの項の削除の詳細は、モデルの縮約化を参照してください。
モデル項が統計的に有意な場合、解釈は項のタイプによって異なります。解釈は以下のとおりです。
  • 主効果が有意である場合、その因子の水準平均は、モデルでのすべての応答において相互に有意に異なります。
  • 交互作用が有意である場合、各因子の効果はモデル内のすべての応答にわたって、他の因子の各水準に対して異なります。このため、より高次の有意な交互作用に含まれる項の個々の効果を分析しないようにしてください。