適合平均は、適合モデルの係数を使用して因子または交互作用の各水準の組み合わせで平均応答を計算します。
適合平均により1つの因子の異なる水準の平均応答が推定され、その一方でほかの因子の水準も平均化されます。
平均表を使って、データの因子水準間の統計的に有意な差を理解します。各グループの平均値は、各母平均の推定値です。項のグループ平均値間の統計的に有意な差を探します。
主効果として、表は各因子内のグループとその平均値が表示されます。交互作用項の場合、表には可能性のある全てのグループの組み合わせが表示されています。交互作用項が統計的に有意な場合は、交互作用の効果を考慮せずに主効果を解釈しないようにしてください。
これらの結果では、平均表は厚さの平均値が時間帯、装置の設定、および時間と装置設定の組み合わせにより変わることを示しています。設定は統計的に有意で、平均は装置設定間で異なります。しかし、時間帯*設定の交互作用項も統計的に有意なため、交互作用効果を考慮することなしに主効果を解釈しないでください。たとえば、交互作用項の表では、設定が44の場合、時間帯2がコーティングの厚みの増加に関連付けられてることを示しています。一方、設定が52の場合は時間帯1が厚みの増加に関連付けられています。
項 | 適合平均 |
---|---|
時間帯 | |
1 | 67.7222 |
2 | 68.7222 |
設定 | |
35 | 40.5833 |
44 | 73.0833 |
52 | 91.0000 |
時間帯*設定 | |
1 35 | 40.6667 |
1 44 | 70.1667 |
1 52 | 92.3333 |
2 35 | 40.5000 |
2 44 | 76.0000 |
2 52 | 89.6667 |
平均の標準誤差(平均のSE)では、同じ母集団から繰り返しサンプルを抽出した場合に得られる適合平均間の変動性が推定されます。
たとえば、ランダムサンプルである312個の配達時間に基づいた平均配達時間は3.80日、標準偏差は1.43日であるとします。この数値から求められる平均の標準誤差は、0.08日(1.43を312の平方根で割ったもの)です。同じ母集団から同じサイズのランダムサンプルを複数抽出すると、異なるサンプル平均の標準偏差はおよそ0.08日になります。
平均の標準誤差から、適合平均によって推定される母平均の正確さを判定します。
平均の標準誤差の値が小さいほど、母平均の推定値の精度が高いことを示します。通常、標準偏差が大きいと、平均の標準誤差が大きくなり、母平均の推定値の精度が低くなります。サンプルサイズは大きいほど平均の標準誤差が小さくなり、母平均の推定値の精度は高くなります。
共変量の平均値は、共変量の値の平均であり、すべての観測値の和を観測値の数で割って求められます。平均とは、すべてのサンプル値を1つの値で要約したもので、共変量の値の中心を表します。
この値は共変量の平均です。因子の適合平均を計算するときは、共変量は平均値のままです。
標準偏差とは、散布度、つまり平均からの個々の共変量の広がり方を表す最も一般的な測度です。
標準偏差を使用して、共変量がどの程度平均周辺で変動するかを判断します。因子の適合平均を計算するときは、共変量は平均値のままです。