バランス型分散分析の例

ある製造技師が、さまざまな条件がコーティング材料の厚さに与える影響を調べる実験を行いました。3人の測定者が実験を2回実行しました。各測定者は、各回、各設定ごとに厚さを2回測定しました。

この計画はバランス型であるため、分析者はバランス型分散分析(ANOVA)を使用して、時間、作業者、および機械設定がコーティングの厚さに影響するかどうかを判断します。

  1. サンプルデータを開く、コーティングの厚さ.MTW.
  2. 統計 > 分散分析 > バランス型分散分析を選択します。
  3. 応答厚さを入力します。
  4. モデルに、時間帯測定者設定時間帯*測定者時間帯*設定測定者*設定を入力します。
  5. 変量因子測定者を入力します。
  6. 結果をクリックします。
  7. 平均平方の期待値と分散成分を表示を選択します。
  8. 項に対応した平均を表示に、時間帯設定時間帯*設定を入力します。
  9. 各ダイアログボックスでOKをクリックします。

結果を解釈する

因子がそのタイプ(固定/変量)、水準の数、および値とともに一覧表示されます。分散分析表にはモデルに含まれるすべての項のp値が表示されます。設定の低いp値とすべての交互作用効果は、これらの項が水準0.05において有意であることを示しています。

設定は固定因子でこの主効果は有意です。この結果はコーティングの平均の厚さはすべての機械設定で同じではないことを示しています。

時間帯*設定は2つの固定因子と関わる交互作用効果です。この交互作用項は有意で、各因子と応答の関係は他の因子の水準に依存することを示しています。こうしたケースでは、交互作用の影響を考慮せずに主要な影響を解釈すべきではありません。

平均表は厚さの平均値が時間帯(朝と夕)、装置の設定、および時間と装置設定の組み合わせにより変わることを示しています。設定は統計的に有意で、平均は装置設定間で異なります。しかし、時間帯*設定の交互作用項も統計的に有意なため、交互作用効果を考慮することなしに主効果を解釈しないでください。たとえば、交互作用項の表では、設定が44の場合、時間帯2がコーティングの厚みの増加に関連付けられてることを示しています。一方、設定が52の場合は時間帯1が厚みの増加に関連付けられています。

作業者は変量因子で、変量因子を含むすべての交互作用はランダムであるとみなされます。変量因子が有意な場合は、その因子が応答の変動量に寄与していると結論できます。作業者は水準0.05においては有意ではありませんが、作業者を含む交互作用効果は有意です。これらの交互作用効果は、作業者に起因する応答の変動量は、時間帯と機械の設定の両方に依存することを示しています。

因子情報

因子タイプ水準
時間帯固定21, 2
測定者ランダム31, 2, 3
設定固定335, 44, 52

厚さの分散分析

要因自由度平方和平均平方F値p値
  時間帯19.09.000.290.644 
  測定者21120.9560.444.280.081x
  設定215676.47838.1973.180.001 
  時間帯*測定者262.031.004.340.026 
  時間帯*設定2114.557.258.020.002 
  測定者*設定4428.4107.1115.010.000 
誤差22157.07.14     
合計3517568.2       
xは厳密なF検定ではありません。

モデル要約

SR二乗R二乗 (調整済み)
2.6714099.11%98.58%

検定の誤差項

要因分散成分誤差項各項に対する平均平方の期待値 (無制約型モデルを使用)
1時間帯  4(7) + 6 (4) + Q[1, 5]
2測定者35.789*(7) + 4 (6) + 6 (4) + 12 (2)
3設定  6(7) + 4 (6) + Q[3, 5]
4時間帯*測定者3.9777(7) + 6 (4)
5時間帯*設定  7(7) + Q[5]
6測定者*設定24.9947(7) + 4 (6)
7誤差7.136  (7)
*合成検定。

合成された検定の誤差項

要因誤差DF誤差MSエラーMSの合成
2測定者5.12130.9747(4) + (6) - (7)

平均

時間帯N厚さ
11867.7222
21868.7222
設定N厚さ
351240.5833
441273.0833
521291.0000
時間帯*設定N厚さ
1 35640.6667
1 44670.1667
1 52692.3333
2 35640.5000
2 44676.0000
2 52689.6667