ランチャートの主要な結果を解釈する

ランチャートを解釈するには、次の手順を実行します。

ステップ1: データのパターンを探す

ランチャートには、工程データが収集順にプロットされます。ランチャートを使用して、特別原因による変動の存在を示すデータのパターンまたはトレンドを探します。

データのパターンは、変動の原因が特別原因にあり、調査して修正する必要があることを示します。ただし、一般原因による変動は、工程に固有の、つまり工程の性質としての変動です。特別原因ではなく、一般原因のみが工程出力に影響している場合、工程は安定します。工程に存在するのが一般原因のみの場合、データはランダム性を示します。

これらの結果において、データは、サンプル数が3~5の場合にある程度のクラスター化を示しています。

ステップ2: 混合とクラスターが存在するかどうか判断する

中央値付近の実行数の検定は、中央値の上下両側に見られる実行の総数に基づいています。中央値付近の連とは、中心線から見て同じ側にある1つ以上の連続する点のことです。連は、点をつなぐ線が中心線と交差するときに終わります。新しい連は、次にプロットされる点から始まります。

この検定では、混合とクラスターという2種類の非ランダムな動作を検出します。

観測される実行数が期待される実行数より多い場合は、混合の存在を示します。観測される実行数が期待される実行数より少ない場合は、クラスターが存在することを示唆します。

クラスターパターン
クラスターは、測定上の問題、ロット間または設定時の変動性、不良部品のグループからのサンプル抽出など、特別原因による変動があることを示唆します。クラスターとは、管理図内の1つの領域にある点の集まりです。クラスター化のp値が0.05未満の場合、データにクラスターがあることが考えれらます。

この管理図には、データのクラスターが存在する可能性が示されています。

混合パターン
混合の特徴は、中心線を頻繁に交差することです。多くの場合、混合の存在は、2つの母集団がデータに混在しているか、2つの工程が異なる水準で行われていることを示しています。混合のp値が0.05未満の場合、データに混合があることが考えれらます。

この管理図において、混合の存在は、データが異なる工程から抽出されたことを示す可能性があります。

主要な結果: クラスター化のp値、混合のp値

この例において、クラスター化のp値0.385と混合のp値0.615はα値0.05より大きくなっています。したがって、データには混合またはクラスターが存在しないと結論付けることができます。