ある栄養補助食品会社の品質エンジニアが、ビタミン剤カプセルのカルシウム含有量を評価したいと考えています。そこで、無作為にカプセルをサンプル抽出し、そのカルシウム含有量を記録します。データに対してどの統計分析が適切であるかを判断するために、エンジニアはまずデータの分布を調べる必要があります。
エンジニアは、どの分布がデータに最適に適合するかを調べるために個別の分布の識別を実行します。
Minitabには、各分布と変換ごとに確率プロットとp値が表示されます。分布がデータによくあてはまる場合(または変換が有効な場合)、プロット上の点は信頼限界内の直線に従い、p値はα水準より大きくなります。多くの場合、α水準として0.05が使用されます。尤度比検定(LRT)のp値は、追加パラメータを分布に追加することにより適合度が有意に改善されるかどうかを示します。尤度比検定p値が0.05未満であれば、適合度が有意に改善されることを示します。
これらのデータの場合、3-パラメータワイブル分布(p > 0.500)と最大極値分布(p > 0.250)がデータにうまくあてはまります。3番目のパラメータを追加すると、対数正規分布(LRT P = 0.017)、ワイブル分布(LRT P = 0.000)、ガンマ分布(LRT P = 0.006)、および対数ロジスティック分布(LRT P = 0.027)の適合度が有意に改善されます。
Box-Cox変換(p = 0.324)とJohnson変換(p = 0.986)は、これらのデータで有効です。変換後、正規分布は変換された値によくあてはまります。
N | 欠損値 | 平均 | 標準偏差 | 中央値 | 最小 | 最大 | 歪度 | 尖度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
50 | 0 | 50.782 | 2.76477 | 50.4 | 46.8 | 58.1 | 0.644923 | -0.287071 |
分布 | AD | p値 | 尤度比検定 p値 |
---|---|---|---|
正規 | 0.754 | 0.046 | |
Box-Cox変換 | 0.414 | 0.324 | |
対数正規 | 0.650 | 0.085 | |
3-パラメータ対数正規 | 0.341 | * | 0.017 |
指数 | 20.614 | <0.003 | |
2-パラメータ指数 | 1.684 | 0.014 | 0.000 |
ワイブル | 1.442 | <0.010 | |
3-パラメータワイブル | 0.230 | >0.500 | 0.000 |
最小極値 | 1.656 | <0.010 | |
最大極値 | 0.394 | >0.250 | |
ガンマ | 0.702 | 0.071 | |
3-パラメータガンマ | 0.268 | * | 0.006 |
ロジスティック | 0.726 | 0.034 | |
対数ロジスティック | 0.659 | 0.050 | |
3-パラメータ対数ロジスティック | 0.432 | * | 0.027 |
Johnson変換 | 0.124 | 0.986 |
分布 | 位置 | 形状 | 尺度 | 閾値 |
---|---|---|---|---|
正規* | 50.78200 | 2.76477 | ||
Box-Cox変換* | 0.00000 | 0.00000 | ||
対数正規* | 3.92612 | 0.05368 | ||
3-パラメータ対数正規 | 1.69295 | 0.46849 | 44.74011 | |
指数 | 50.78200 | |||
2-パラメータ指数 | 4.06326 | 46.71873 | ||
ワイブル | 17.82470 | 52.13681 | ||
3-パラメータワイブル | 1.47605 | 4.53647 | 46.66579 | |
最小極値 | 52.22257 | 2.95894 | ||
最大極値 | 49.50370 | 2.16992 | ||
ガンマ | 351.04421 | 0.14466 | ||
3-パラメータガンマ | 2.99218 | 1.63698 | 45.88376 | |
ロジスティック | 50.57182 | 1.59483 | ||
対数ロジスティック | 3.92259 | 0.03121 | ||
3-パラメータ対数ロジスティック | 1.54860 | 0.32763 | 45.46180 | |
Johnson変換* | 0.02897 | 0.97293 |